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イッピン・選「名匠への道 ~静岡 漆製品~」

江戸時代から発展を遂げてきた静岡の漆工芸。
様々な独自の技法が生まれ、今日まで伝えられてきた。
コロナ禍の中、父から受け継いだ技を極めようとする
職人の姿を追う。
厳しい状況の中、伝統工芸を次代に伝えていくために
技の習得に励む若手職人たちを紹介するシリーズ
「名称への道」。
 
今回は、江戸時代から発展を遂げてきた静岡の漆工芸。
漆塗りの高級下駄に、
細かく砕いた卵の殻をモザイクのように張り付けていく
「卵殻貼り」。
漆を塗った器に砂をまき、
手にしたとき吸いつくような感触をもたらす
「金剛石目塗」。
コロナ禍の中、それぞれ父から受け継いだ技を
極めようとする職人の姿を追う。
 

卵殻貼り(駿河塗下駄工房「佐野」・佐野成三郎さん)

静岡県静岡市、東海道の旧・宿場「府中宿」にある
「駿河塗下駄工房 佐野」。
佐野成三郎さんが作るのは、
漆塗りの下駄に卵の殻を貼りつける
「卵殻貼り」という技法を使った下駄です。
「卵殻貼り」は50もの工程があるため、
1足を完成させるまでに1年半掛かるそうです。
 
「駿河塗下駄」は、
明治初期に本間久治郎という下駄職人が
大衆向けの下駄に塗りを施したのが始まりと 言われています。
元々、静岡では漆器生産が盛んだったので、
その技法を応用したものです。
それが全国で評判を呼び、
静岡と言えば「駿河塗下駄」と言われるほどに人気を博し、
昭和20年代、30年代は、
静岡市の3分の1に近い人達が下駄に関わる仕事をしていたそうです。
ところが現在は職人が4人のみ。
佐野さんは静岡塗下駄工業組合の理事長として、奮闘されています。
 

下駄ひといろ(佐藤仁美さん)

佐藤仁美さんは、佐野成三郎さんのお嬢さん。
継ぐつもりはなく、ネイルアーティストとして活躍されましたが、
お父様が体調を崩した時に、
「積み上げてきたものを無くしたくない」と思い、 家業を継ぎました。
伝統の技法を生かしながらも、
貝殻やラメを使用したり、
動物や魚など様々なキャラクターを描く佐藤さんの作品は、
ジーンズやロングスカートにも合うと人気です。
 

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金剛石目塗

静岡の漆器の特徴は、
幅広い需要に応えるために開発された「変り塗り」という技法です。
「金剛石目塗」は、 大正13年に鳥羽清一氏によって完成された、
大変堅固な下地「砂の蒔地」に
生漆と安倍川の砂を使ってを作った漆器です。
「砂の蒔地」は歴史的にも全国的にも 「金剛石目塗」だけのものです。
「金剛石目塗」は、 砂の蒔地による下地層の上に
漆を塗り重ねひとつひとつ丁寧に仕上げています。
こうして完成した漆器は、 美しい深みのある艶を持ち、
その上、熱や水にも強く 実用的にも優れたものです。
静岡県の「無形文化財」に指定されています。
 
グラスに金箔やホワイトゴールド箔(金と銀の合金)等を貼り、
その上を金剛石目塗独自の「砂の石目」にした後、
仕上げの漆を塗って完成させた、「うるしのGLASS」が人気です。
 

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