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北海道「焼き物」

現在、北海道には旭川市の「大雪窯」など
300程の窯があると言われています。
道内での焼き物作りは
江戸時代末期の安政年間に「函館」で始まったと言われています。
当時は「箱館」という地名でしたので「箱館焼」と言いました。
安政6(1859)年に
箱館奉行が地場産業を育てようとして幕府から許可を得て、
美濃(岐阜)から来た足立岩次らが
箱館谷地頭で道内初の窯業を本格的に開始しました。
 

谷地頭温泉

  • 住所: 〒040-0046
    北海道函館市谷地頭町20−7   
  • 電話: 0138-22-8371
 
 
「箱館焼」は磁器中心で染付の小物中心に作られ、
本州に北前船で運送されました。
しかし、 冬の気候や資材調達に
経費が掛かり過ぎるなどの経済的理由から
「箱館焼」はそれほど長続きせず、3年程で閉鎖となりました。
 
小樽では明治に入ってから3窯が開かれました。
明治5(1872)年に小樽の土場町で「土馬焼(後志焼)」
(愛知常滑の本多桂次郎・守清、~昭和18年まで)、
大正7(1874)年には 「入船焼」
(石川県九谷焼の松原新助・陶光)、
そして明治32(1900)年に
北海道小樽に渡った越後出身の白勢慎治氏が
昭和10(1935)年に 「小樽窯白勢陶園」を始めました。
 
美しい青緑色からファンも多かったのですが、
後継者難から、平成19(2007)年に幕を閉じました。
 
現在「小樽窯白勢陶園」の建物は、
ガラス工房の「幸愛硝子(ユキエ ガラス)」が
工房とギャラリーとして再活用しているそうです。 
 

幸愛硝子 小さな森のなか

  • 住所: 〒047-0021
    北海道小樽市入船5丁目1−14   
  • 電話: 0134-64-1996
 
 
札幌では、大正3(1914)年10月に円山村 (当時)に
「札幌陶器工業株式会社」が誕生し、「札幌焼」が始まりました。
その後、酒類を扱う
「三国屋南部源蔵商店」の支配人・中井賢治郎によって買収され、
「中井陶器工場」を開設し、
三国屋にとっての必需品である徳利、甕、茶器などを生産しました。
しかし、大正14(1925)年10月の三国屋倒産や
本州からの陶磁器流入が影響し、閉鎖となりました。
昭和52(1977)年に中井陶器工場の中心的陶工だった
涌井広三さんの甥・涌井辰雄さんが
大正期の陶器の破片を元に「札幌焼」を復活。
涌井さんが亡くなられた後は
お弟子さんの阿妻一直さんが「札幌焼」の名を引き継いで
「札幌焼盤渓窯」として作品制作を行っています。
なお、札幌市旭山記念公園内にある「札幌焼窯跡」が、
さっぽろ・ふるさと文化百選のNo.048として選定されています。
 

札幌焼窯跡

  • 住所: 〒064-0943
    北海道札幌市中央区界川4丁目1