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青森県「南部裂織」

「裂織」は使い古した布を細く裂き、織り込み、
衣服や生活用品へと再生する織物です。
経糸に木綿糸、横糸に古布を用いて織った「裂織」は
丈夫で温かく、使い続けると柔らかな風合いになります。
 
江戸時代、寒冷な気候の為に木綿の育成や入手が難しかった
南部地方(青森県東部)では、
大切に使った布を素材にこたつ掛けや仕事着、帯などを織り、
それは農閑期の女性の手仕事でもありました。
木綿の育たなかった東北北部の家庭では、
ようやく手に入れたボロを布に再生する裂き織りは欠かせない作業でした。
 
そんな「裂織」も時代の流れとともに全滅に近い状態で衰退しましたが、
その流れを止めたのが菅野栄子さん。
菅野さんは一人で農家を回って、
納屋の隅に眠っていた地機を譲り受けることから始めました。
それから織りを学び、教え、仲間を増やし、
今から40年程前に「南部裂織保存会」を立ち上げました。
 
現在、「南部裂織保存会・巧工房」は、
「道の駅とわだ」の敷地内にあります。
保存会の人によりますと、
「南部裂織」の特徴は「赤い色」と「炬燵掛け」。
「赤い色」は、家の中が暗かったから少しでも華やぎを出すため、
「炬燵掛け」は互いに思いやる家族の象徴なのだそうです。