久米島(くめじま)は、
沖縄本島から西に約100km、 沖縄諸島に属する島で最も西に位置し、
沖縄本島、西表島、石垣島、宮古島に次いで 5番目に大きな島です。
自然豊かで美しい久米島は、
昭和58(1983)年に島全体が県立自然公園に指定され、
今でも変わらない美しさを保ち続けています。
14世紀頃、南方貿易によりインドをルーツとする製織法が
久米島に伝えられました。
『琉球国由来記』には、
14世紀の末頃、久米島の「堂の比屋」という人が中国に渡り、
養蚕の技術を学んで帰ってきたと書かれています。
しかし、なかなか技術が進展しなかった為、
元和5(1619)年、越前より坂元普基が招聘され、
蚕の飼い方や桑の木の栽培の仕方、綿子(真綿)の製法を伝えられました。
その後、薩摩より友寄景友が来島し、
紬の織り方と糸の染め方が伝えられたことにより
飛躍的な進歩を遂げ、
琉球の織物技術は向上しました。
この紬絣技法は、久米島を起点に発達し、
沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝えられ、
「大島紬」「久留米絣」「結城紬」などのもととなり、
日本全国に伝播されていきました。
そのため久米島は「日本の紬の発祥の地」と言われています。
昭和50(1975)年2月17日には「伝統工芸品」に指定、
平成16(2004)年7月16日には「国の重要無形文化財の保持団体」に
認定されています。
「久米島紬」の染色は、
多くの鉱物が含まれた「島の赤土」と
島に自生する「植物染料」のみを用いて行われるのが 特徴です。
「グール」(和名:サルトリイバラ)を使った「泥媒染」では
「黒褐色」になります。
これに「テカチ」(和名:シャリンバイ)で染め重ねると、
濃い焦茶色になります。
「ユウナ」(和名:オオハマボウ)で染めると灰色になります。
「ヤマモモ」と「クルボー」(和名:ナカハラクロキ)の
2種の染皮を同時に染めると「黄色」になります。
久米島は多くの染料に恵まれていて、
近年は、シイの木、ギンギチャー(和名:ゲッキツ)等の染料も用いられ、
古い資料に見られる多色使いを参考に、久米島紬の多様化が図られています。
更に、近年新たに誕生した「大地染め」は、
明るく淡い色合いが都会的でエレガントと好評です!