茨城県の工芸と言えば、
「笠間焼」、「結城紬」、春慶塗「粟野春慶」などが
よく知られていますが、
実は「ガラス工芸」も忘れてはならない存在です。
茨城県のいくつかの古墳からはガラス玉出土しています。
北茨城市の「シリカ」や龍ヶ崎市の「カガミクリスタル」といった、
ガラスを生産する工房や企業があり、
茨城を拠点に制作活動を行っている個人作家もいます。
更に、ガラス工芸作家の岩田藤七・久利親子、
カガミクリスタルの各務鑛三、ガラス工芸家の藤田喬平といった
日本や世界の近現代ガラス工芸を代表する巨匠達の作品が、
茨城県内各地で所蔵されています。
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龍ヶ崎市には、「カガミクリスタル」の本社・工場があります。
「カガミクリスタル」は、 昭和9(1934)年、
日本初のクリスタルガラス専門工場として創立されました。
(平成2年に本社・工場を茨城県龍ケ崎市へ移転)
カガミクリスタル創立者・各務鑛三(かがみこうぞう)は、
昭和2(1927)年にドイツに留学し、
日本にクリスタルガラスの美しさや
グラヴィール彫刻を紹介した技術者であり、
クリスタルの無色透明な美しさ、そしてその特性を最大限に引き出し、
硝子工芸を芸術にまで昇華させた人です。
各務鑛三は
「刹那的場当たりの効果を狙う創造を忌み、
真に価値のあるものを創造する精神を常に持つ」という“
もの創りの心”を説きました。
今でもカガミクリスタルは、
絶え間ぬ錬磨によって技能を深め、
高度な技術と共に絶えず独創的な物作りを続け、
現在、250以上の日本大使館・領事館で公式に使用されている
日本を代表するガラス食器メーカーとなっています。