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イッピン「暮らしにクールな輝きを 岐阜県関市の金属製品」

<番組紹介>
今、セレクトショップで話題の、
クールでスタイリッシュな鉄製家具。
鉄とは思えない軽やかさが人気の秘密だ。
また、日本のみならず世界でも評判の、
軽くて丈夫なスマホケースは
特殊なジュラルミンを使ったもの。
2年前の発売以来、
15万円ほどの価格にもかかわらず、
数百個が売れている。
さらに包丁作りの伝統のワザを生かした
最新システムキッチンなど、
岐阜県関市が生み出す魅力的な金属製品の秘密を、
映美くららが探る。
 
<初回放送日:平成28(2016)年5月24日>
 
 
刃物の町・岐阜県関市の職人の皆さんは、
加工しづらい金属を自在に扱いこなして、
より便利に、よりスタイリッシュに、
現代の暮らしを彩る金属製品を生み出し続けています。
 

1.アイアン家具(杉山製作所)

 
岐阜県関市には、金属製品を作る企業は250社以上あります。
番組では、洗練されたフォルムが人気の鉄製の家具を作る
「杉山製作所」の工場におじゃましました。
こちらでは、6人の職人さんが300種類以上の家具を作っています。
そんな中でも、細い鉄材を組み合わせた「アームチェア」が
特に評判です。


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岐阜・関市の鉄製品工房から、アームチェア作りを紹介。
部材を正しい寸法に切り、曲げるなどの加工し、
溶接機で繋げていきます。
背中の重みを支える後ろ足は、独特のカーブを正確に作っていきます。
デザインを決める肘掛けの部分は、丈夫さと美しさにこだわっています。
 

 
 
岐阜県関市にある鉄のプロフェッショナルメーカーの
「杉山製作所」さんは、
鉄の加工や溶接を専門として昭和37(1962)年に創業しました。
当初は自動車部品を製造していたのですが、
平成12(2000)年に「アイアン事業部」を立ち上げ、
インテリアや什器に一本化。
まず、店舗用什器ブランド「KEBIN」を発表。
 

 
更には暮らしの中にも鉄を取り入れてもらいたいと
住宅用家具の製作にも乗り出し、
「クロテツ」や「FACT」を始め、

 
プロダクトデザイナー・柴田文江さんとコラボした
Fe」などの鉄家具ブランドを次々と展開。
 

 
平成26(2018)年には建材ブランド「FIT」を立ち上げ、
住まいを総合的にコーディネート出来る
鉄家具メーカーとしての地位を確立しています。
 

 
「鉄で人を幸せにする」を理念に、
鉄にこだわりをもった製品づくりを行っています。
 
  • factory shop「tetsukurite (テツクリテ)
    • 住所:〒501-3829
         岐阜県関市旭ヶ丘3-1-13
  • ショールーム
    • 〒501-3829
      岐阜県関市旭ヶ丘3-13
    • 営業時間:10:00~17:00
    • 営業日:平日と第2土日
    • 定休日:第2除く土日と祝日)
 
 

2.システムキッチン「トーヨーキッチンスタイル」


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鎌倉時代に始まった「日本刀」作りが
「包丁」作りへと発展した歴史を持つ岐阜県関市では、
現在、その技能を活かした「システムキッチン」の製作が
盛んに行われています。
 
現在、オリジナルプレミアムキッチンを中心とした
インテリア全体をプロデュースする日本のトップブランドである
トーヨーキッチンスタイル」もそんな企業の一つです。
 
昭和9(1934)年に「東洋食器製作所」として
関市で創業しました。
元々は、ステンレス洋食器メーカーとして、
「ステンレス包丁」などを作っていました。
 

www.toyokitchen.co.jp

 
昭和33(1958)年に、ステンレス流し台「トーヨー流し台」の製造に着手、以後はステンレス加工を得意とする
国内有数のキッチン専門メーカーとして知られるように
なりました。
 
 
現在は、独自の高度なステンレス加工技術を活かした
キッチンや家具を製造し、日本に「アイランドキッチン」の文化を広めました。
平成26(2014)年の秋より、「トーヨーキッチンスタイル」と社名を変更しています。
 

 
関市の伝統の技は、水切りを良くするために流麗な形状が求められる
「シンク部分」に生きています。
素材は、鉄にクロムやニッケルを加えた「合金ステンレス」。
強度がある一方、加工しにくい金属です。
シンクは繊細な形のため、機械でなく手仕事によって作られています。
「溶接工」の手を経たシンクは、
「叩き専門の職人」の元へと引き渡され、
職人が溶接した部分を叩いて一枚板のような形にする。
 
工場長の増田清治郎さんによれば、
ステンレスには溶接すると縮む特性があるため、
「叩く」のは縮んだところを伸ばすためなのだそうです。
均等に叩かないと仕上がりにムラが出るので、
注意が必要です。
 
叩きの後は、これも専門の職人により「磨き」が行われます。
目の粗いものから細かいものまで、
曲面の形に合わせて使うやすりも変えていくのだそうです。
52年間この磨き作業に従事してきた職人の川嶋洋さんは、
この仕事について「毎年毎年1年生、満足はしていません」と
おっしゃっていました。
 

 

www.toyokitchen.co.jp

 
 

3.最新テクノロジー × 職人ワザ「The Slit for iPhone 6」
(SQUAIR)


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岐阜県関市で作られたスマホケースは、
値段こそ15万円近くするものの、
日本のみならず世界でも評判で、
発売以来400個を売り上げている。(放映当時)
 
アルミニウムに亜鉛やマグネシウムを混ぜた
「超々ジュラルミン」という特殊合金で作られていて、
32gと軽量ながらとても丈夫。
 
その強度を東京都立産業技術研究センターで検証したところ、
「超々ジュラルミン」は
アルミニウムの3.5倍の重さに耐えられることが判明しました。
 
このスマホケース工場には、
自動で3D加工が出来る5000万円の機械が導入されていて、
機械の作業工程は2時間前後。
その後は手作業で、職人の長沼修司さんが伝統ヤスリを使って
丹念に「バリ」を取っていました。
バリを取った後は、磨きの作業。
2時間後に完成したスマホケースは、滑らかな手触りになっていました。
 
 

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