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イッピン「多彩な器!活気あふれる陶芸の里~茨城・笠間焼~」

<番組紹介>
茨城県笠間市は活気あふれる焼き物の里。
200人以上の陶芸作家が競うように創作に打ち込んでいる。
いま女性に人気なのが、
アラベスク風の模様のカップとソーサー。
模様の部分がぷっくりと盛り上がり、
器に温かみと上品さを加えている。
これは泥を盛りつける
「イッチン描き」という技法によるもの。
その緻密な職人技を紹介。
さらに一枚の皿の上に幻想的な砂浜を彫り込む作品など、
多彩な笠間焼の魅力を中山エミリがリサーチする。
 
 

1.近藤 文さん

 
近藤さんは平成7(1995)年から益子で修行を始め、
製陶所勤務を経て陶芸家・栗原節夫氏の元で修行を重ね、
平成13(2001)年に笠間で独立、工房を構えました。
 
近藤さんは飴色の釉薬が美しく光る器を製作されています。
深い飴色の釉薬と繊細なタッチで描かれる
「イッチン技法」によるもの。
「イッチン技法」とは、
成形した器にスポイトを使って泥状の粘土で模様を描く技法で
「筒描き」とも呼ばれています。
 
近藤さんは、自然など身の回りにある大事なものが
一個にまとまるような模様を描いていると言います。
ろくろで皿を成型した後、
炭であたりをつけて泥しょうで紋様を描きます。
装飾が終わったら素焼きして飴釉で釉薬掛けをします。
裝飾によって出来た凹凸は、
釉薬をかけると釉薬が溜まりやすいところと溜まりにくいところが生じ、
陰影が出来ます。
 
近藤さんは陶芸作品を制作する仕事の過程で生じる
「焼き損じたち」を不燃ゴミにするのではなく
「もう一度再生できたら」という思いがあり、
岐阜では廃棄される陶磁器をもう一度粘土にしているという話を聞き、
不要になった陶器を粉砕して作られる再生土を使った作品作りを
笠間・益子を中心に活動する個人陶芸作家たちと実験されています。
 

 
 

2.ギャラリー曜耀(金澤美術)

 
金澤さんは、陶芸に魅了され大学を中退し、笠間にやって来たそうです。
決められた技法がなく、いろいろな価値観に出会えると言います。
笠間市のギャラリーには、日用使いの器が置かれています。
その中には、
色の組み合わせや柄の組み合わせが特徴的なデザインの
若者作家の作品もありました。
 
  • 住所:〒309-1611
       茨城県笠間市笠間2372-5
  • 電話:0296-71-7566
 
 

3.東 香織さん

 
笠間焼は、江戸時代の中頃から地元の筑波山などで取れる
花崗岩が風化した土を原料にの始まりました。
戦後は、ライフスタイルの変化から需要が激減しましたが、
県の協力で「茨城県窯業指導所」を設置し、育成と創業を支援。
その結果、全国から数多くの人材が集まりました。
現在、「窯業指導所」は「笠間陶芸大学校」に名を変え、
基礎的な技術と現代陶芸をリードし、
世界に羽ばたける人材の輩出を目指しています。
 
東さんは、その「茨城県窯業指導所」に入所し、
成形1科で1年間、釉薬1科で半年間、陶芸の基礎を学びました。
貝殻をモチーフに、オリジナルの作品を制作されています。
楕円の重なりと線による陰影で立体感があり、料理との相性もバッチリ。
東さんは、更なる立体を追求していきたいとおっしゃっていました。
 

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