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イッピン「ガラスに映える千年の技 岩手・秀衡塗」

<番組紹介>
色漆で描いた富士山が美しく水面に揺らめくワイングラスや、
グッドデザイン賞を受賞した小さな家の形の小物入れなど
多彩で華麗な秀衡塗の世界を女優の内山理名が探る。
ガラスの透明感と漆の温かみが一体となった
人気のワイングラスがある。
グラスの底には色漆で描かれた富士山。
傾けると水面が揺らめき富士が浮かびあがったり
逆さに見えたりと幻想的な光景を写し出す。
これは岩手の秀衡(ひでひら)塗。
ほかにも
秀衡伝統の「金ぱくのひし形文様」をあしらった優美な椀や
グッドデザイン賞を受賞した小さな家の形の小物入れを紹介。
多彩で華麗な漆器の世界を女優の内山理名が徹底リサーチ。
(初回放送日:令和2(2020)年4月28日)
 
 
今回の「イッピン」は、
女優の内山理名さんもお気に入りのワイングラス。
そのワイングラスには、
底に漆で描かれている富士山が浮かんで見える細工が施されています。
このワイングラスは岩手県で作られ、
「秀衡塗」の一つの作品として愛されているそうです。
今回は「秀衡塗」の魅力に迫っています。
 
 

1.秀衡塗「漆絵ワイングラス」(丸三漆器)

 
人気のワイングラスを製造しているのは、
一関市にある「丸三漆器」です。
明治37(1904)年に、
衣川・増澤で漆塗りを習得した初代・清之助が
「丸三漆器工場」として創業して以来、
木地、下地、塗り、絵付けと 一貫した生産工程を持つ
数少ない工房として知られています。
 

 
現在は、五代目の青柳真さんが、
かつて広告代理店に勤めていた手腕を活かして、
商品企画、営業活動に従事し、
父・一郎さんが開発した「漆絵グラスHidehira」の派生商品、
「漆絵ワイングラス 富士・赤富士」を開発しました。

「秀衡塗」で装飾された、
ガラスと漆絵が美しく融合するワイングラスです。

漆器は若い人には手に取られにくいので、
イメージを一新して
見た目もキレイなワイングラスを作ったことにより、
人気が出たのだそうです。
 


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漆を使用する際には、
不純物を取り除く作業などを行ってから、絵付けを行います。
職人さんはワインを入れると、
描いた富士山が一回り大きく見えるので、
そこに注意を払いながら絵を描いていくなどとおっしゃっていました。
グラスの底には日本を象徴する富士山が描かれています。
傾けると水面が揺らめき、
富士山が浮かび上がったり、逆さに見えたりと、幻想的です!
「FUWARI 梅」や「FUWARI 桜」もあります。

 
「銀河」や「あやめ」もあります。

 
 
また弟の匠郎さんは、
安比塗漆工技術研究センター」を卒業後、塗師として従事。
拭き漆の技法で普段使いに特化した
新ブランド「FUDAN」を開発しました。
 
平成30(2018)年には、トヨタ自動車が主催する
「LEXUS匠プロジェクト」に参加し、
乾漆の技法を使った地球儀「Chikyu」を発表しました。
 

 

lexus.jp

  • 住所:〒029-0523
      岩手県一関市大東町摺沢但馬崎10
  • 電話:0191-75-3153
 

 
 

2.小物入れ「ルーフタウン」(翁知屋)


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翁知屋は、今はダムの底に眠る
「衣川村増澤地区(現 奥州市衣川区)」で、
明治時代より代々漆器制作を行なっている工房です。
増澤地区には豊富な木材があり、
当初は、加飾のない無地の「増澤漆器」を製造していました。
そして、増澤を流れる二つの川と川が落ち合うところに
家を構えていたことから、
「おちあい」さんという愛称で呼ばれていました。
 
仙台国立工芸指導所で先端工芸や漆芸技法を学んだ
2代目・佐々木誠は、
平泉周辺に伝わる「古代秀衡椀」を収集・研究し、
「秀衡椀」の特徴である「金箔はり技術」を独自の工夫で開発し、
明治・大正時代と途絶えていた「秀衡椀」を
見事に再現・復活させました。
「増澤漆器」と合わせて
「秀衡塗漆器」を同時に製作するようになりました。
 

 
昭和30年の増沢ダムの建設に伴い、
2代目・佐々木誠は、平泉町に母屋と工房を移築し、
主に「秀衡塗」を製造販売していくことになります。
愛称で呼ばれていた「おちあい」に漢字を当て、
翁知屋(おおちや)として漆器業を継続します。
 

 
翁知屋」の現当主である5代目の佐々木優弥さんは、
国内外のデザイナーとの創作品にも積極的に手掛け、
高い評価を受けています。
 

 
番組で紹介された「ルーフタウン」は、
石田和人さんデザインの秀衡塗の小さな重箱です。
平泉の蔵や家をモチーフに、組合わせて様々な表情の街並が現れます。
現在の生活にも潤いを与えてくれる
優しい雰囲気があると人気を博しています。
 
 
 
その小物入れを作った職人さんに
その優しい雰囲気を醸し出す秘訣をお聞きすると、
「木の表面に和紙を貼る事」だそうです。
 
伝統に捉われず、様々な手法を試す佐々木さんは
未来の職人さんがこの技法を見て感動してもらえたら嬉しいなどと
おっしゃっていました。
 
 
「栃ぐいのみ」は、
伊勢志摩サミットのG7各国首脳への贈呈品に選定されました。
 

 
 
「翁皿 秀衡椿紋」は、
「東京2020オリンピック・パラリンピック」の大会記念品に選定され、
国際オリンピック委員会、国家元首などに贈呈されました。
 

 
 
新日本プロレス50周年記念コラボ品もあります。

 
 
佐々木さんはまた、「平泉五感市」(オンライン)といって、
岩手県県南地域<一関市・平泉町・奥州市>の参加企業に、
消費者が直接企業を見学することにより、
製品への理解や企業のファンになってもらう取り組みも行っています。
 


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  • 住所:〒029-4102
       岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関1-7
  • 電話:00191-46-2306
 

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