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イッピン「丈夫にまた華やかに 埼玉・藍染め」

<番組紹介>
伝統的な藍染めの工房が残る埼玉県。
剣道着を作ってきた技法を生かした作務衣や、
華やかな後染めのワンピースなど、
丈夫で着心地のいい普段着を作り出す若手の工夫に迫る。
 
埼玉県にはかつて、藍染めの工房が200軒あったといわれる。
藍は染めた糸を強くする効果があるため、
野良着や剣道着など、丈夫さが求められるものに多く
使われてきた。
現在も伝統的な藍染めが続けられており、実用的な作務衣を
作る工房が現れてきた。
また意欲的な職人の手になる、後染めの技法を効果的に用いた
ワンピースが人気を呼んでいる。
丈夫で、着心地のいい普段着に、藍染めの技を生かそうとする
職人たちの工夫に迫る。
 
<初回放送日: 令和4(2022)年2月25日>
 
 
<参考>「武州正藍染」

 
 
「武州」(ぶしゅう)とは、「武蔵」(むさし)国の異称です。
現在の東京都・埼玉県・神奈川県の一部に当たります。
 
江戸時代後半の天明期(1781~1789年)の頃から、
埼玉県羽生や加須、行田などの北埼玉では、
藍が栽培されたと言われています。
それを農閑期を利用して
家族の衣服を作ったのが始まりと言われています。
 
明治40年代の最盛期には、
200軒以上の紺屋があったと伝えられていて、
武州の一大産業で発展していったようです。
武州地域(埼玉県北部)の藍染は、
埼玉県の伝統的手工芸品に指定されています。
 
「武州正藍染め」は、
藍の葉から自然発酵建てで採った染料により染めるのが特徴で、
手染めのため微妙な風合いがあり、褪めるほど美しい色合いになります。
染色には、糸の段階で染める「糸染め」と、
布にしてから染める「型染め」のふたつの手法があるのですが、
武州では全体の7割が「糸染め」で、
糸を染め上げてから織るため
「青縞」と呼ばれる美しい自然のストライプが生まれます。
 

 
藍染の効能は3つあると言われています。
 1.殺菌及び抗菌
 2.消臭
 3.糸の強化
以上の3つです。
これらはあくまで、
天然発酵による生きたバクテリアがいることでもたらされる効果です。
 
 

1.風林庵


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東京・根岸にある築60年の古民家バー
「Wine Sake Bar 風林庵」は
週末だけの完全予約制の茶室バーです。
玄関脇には「蹲」(つくばい)が置かれ、
擦りガラスの扉を開け入店し廊下を進めば「水屋」が現れ、
広々とした和室からは枯山水の庭が眺めることが出来ます。
 
風林庵のご主人、小林勝郎さんは
「野川染織工業」の作務衣を愛用しています。
 
 
  • 住所:〒116-0014
       東京都荒川区東日暮里4-5-6
  • 電話:080-9522-1128
 
 

2.野川染織工業

 
大正3(1914)年に創業した「野川染織工業」は、
完全天然発酵の藍で作られた藍液を用いて、
糸から染める「武州藍染」にこだわる日本でも数少ない紺屋です。
藍で糸を染めることから、生地の織り上げや縫製、商品化まで一貫まで
一貫して行っています。
 


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天然発酵にこだわった展開ブランドは
知る人ぞ知る剣道着のトップブランド「武州一」、
 
天然発酵建て藍染め工程を経た製品の
「Bushu Process」、

 
和様生活着ブランド「喜之助紺屋」です。

 
また、藍染アンテナショップ「ジャパンブルーテラス」も
展開しています。
 
 
野川染織工業
  • 住所:〒348-0033
       埼玉県羽生市須影878
  • 電話:048-561-0368
<直営ショップ>
  • 住所:〒348-0033
       埼玉県羽生市須影470
  • 電話:048-598-5050
 
 

3.武州中島紺屋

 
「武州中島紺屋」は、
天保8(1837)年に伊勢から渡ってきた初代により創業されました。
当時は主に白木綿を藍で染めて、野良着を作っていたそうです。
 
今、武州中島紺屋を守るのは、五代目の新島大吾さんです。
文化服装学園技術専攻科卒業後、藍染めの美しさに魅せられ、
平成12(2000)年に学院時代に講義で出会った
四代目の故・中島安夫先生に弟子入り。
平成24(2012)年に伝統工芸士を取得し、
「武州中島紺屋」の五代目として「武州正藍染」を継承しています。
武州中島紺屋のブランド「武州壺染」を手掛けています。 
 
「武州中島紺屋」は白い壁に囲まれ、
その敷地内には展示場としての史料館、作業所などが立ち並んでいます。
 
「資料館」には、武州藍の歴史に関する資料や、
藍の栽培方法や藍染の作業工程に関する資料の展示、
また体験教室の作品発表なども行われています。
藍染めの衣服や小物、生地などを販売する「藍染即売館」も併設され。
「藍染め体験」も出来ます。
 
  • 住所:〒348-0037
       埼玉県羽生市小松223
  • 電話:048-561-3358
 

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