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イッピン「工業技術が暮らしを彩る~静岡 金属加工製品~」

<番組紹介>
宇宙開発技術を駆使し、オーロラのように光り輝くグラス。
バネを利用した、モダンな花入れ。
静岡の工業地域から生まれた斬新な製品を、
中山エミリがリサーチ!
 
光を受けると、オーロラのように光り輝く幻想的なグラス。
最先端の宇宙開発技術を駆使して生み出されたイッピンだ。
いま静岡県臨海部の町工場から、
工業技術を応用した斬新な製品が続々と生まれている。
医療機器などのバネを作る工場で作られた「花入れ」は、
バネの概念を変える斬新なデザイン。
切り絵のような造形の「髪留め」は、
板金加工技術を存分に生かした美しい仕上がり。
中山エミリが町工場を訪ねてリサーチする。
 
 
今回の舞台は、静岡県の臨海部に広がる工業地域です。
静岡の金属製品業界は、
漆器や家具の止め金、雛具に代表される
飾り金具などの製造から発展し、産地化されました。
戦後は、軍需品の残りの鉄屑を使って、
時計用のスプリングバンドを製造し、米軍向けに輸出。
生産される製品も、家具金物などの木工関連から、
自動車部品、金型など様々に変化しています。

 

 

1.「Jewelry・Glass」(PROGRESS・日翔工業)


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静岡県には、
国際利酒師が選ぶ日本の酒器:焼酎部門第一位の他、
数々の賞を受賞したグラスがあります。
「Jewelry・Glass」(ジュエリーグラス)と言います。
 

 
ガラスに最高純度のチタンをコーティングして作られたグラスは、
光の屈折によって、グラデーションのように色が変化し、
まるで夜空に浮かぶオーロラのようです。
お酒を注ぐと中の色がガラスに透けて、
赤ワインを注げばルビー色に、ウイスキーを注げば琥珀色に変化して、
幻想的です。
 

 
 
またチタンは、プラチナや金よりも身体親和性が高く
「人に最も優しく安心」な希少な素材です。
更に純度の高いチタンは、光が当たることで光抗菌作用が生まれます。
この作用は、ニオイや汚れを付きにくくし、雑味を分解。
つまり、飲み物の雑菌や酸味などを分解することから、
水や酒の味をまろやかに優しくする力も秘めています。
 

 
製造・販売しているのは、日翔工業という
人工衛星やF1のマシンにコーティングをしている会社です。
最先端技術の「宇宙開発技術」を応用し、
静岡の「職人の手仕事」と融合することによって、
唯一無二のグラスを実現させました。
 

 
 
「Jewelry・Glass」(ジュエリーグラス)に
厚さ10万分の1ミリの極薄チタン膜をコーティングする際に大切なのは、
グラスが清潔であることです。
わずかでも汚れがあると、チタンが上手くくっつかなかったり、
汚れが残ってしまいます。
そこで、しっかりスポンジを使って、グラスに水滴の跡すら残らないように、
2段階に分けて、丁寧に「手洗い」します。
「手洗い」でキレイになるの・・・?
色々な洗浄装置を試してみたのですが、
結局、手洗いが一番という結論になったそうです
 

 
洗浄が終わったら、チリ一つないクリーンルームに運び、
高圧の空気が出るエアブローを使って、
水滴が残らないように一気にグラスを乾かします。
そしていよいよチタンをコーティングします。
使うのは、人工衛星をコーティングする時にも使う専用の機械です。
光の中でグラスが周り、チタンを10万分の1㎜にして飛ばし、
6時間かけて20以上の層を作ったら、完成です。
 

このようにして作られる「Jewelry・Glass」は、
平成26(2014)年に社名に因んだ「SUNFLY」というブランド名で、
主に男性向けのギフト・記念用グラスとして販売されると、
発売直後からたくさんのお酒好き、グラス好きの方々の注目を集め、
支持されました。
 

 
平成29(2017)年9月、
更に多くの人にグラスを発信し魅力を伝えるべく
PROGRESS」としてリブランドされました。
ターゲットを男性は勿論、「男性らしい魅力を持つ女性」など、
性の枠を超えた「ジェンダーレスブランド」になりました。

PROGRESS」のグラスは、
柔らかめのスポンジと中性洗剤で手洗いして下さい。
クレンザーや研磨剤入りスポンジなどは、
ガラスを傷つける恐れがあるため使わないで下さい。
また、ガラスが溶ける可能性があるため、
強アルカリの洗剤も不向きです。
また、残念ながら食器洗い洗浄機には対応していません。
電子レンジやオーブンも使用不可です。
 

nissho-kogyo.jp

 
 
 
 

2.SPRING SPRING「SPRING VASE」(遠州スプリング)


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静岡県には、楽器やオートバイを中心に多くの工場がありますが、
遠州スプリングは自動車用のバネなど、様々なバネを作ってきた会社です。
外国人にも人気な人形のバネなど、様々な注文に答えてきました。
そんな高い技術を持つバネメーカーの遠州スプリングが
バネに光を当てたいという想いから、
SPRING SPRING」というプロジェクトをスタートさせ、
これまでにない個性的なバネを作りました。
 
そのバネが今、インテリアの主役として注目を集めています。
一番人気は、自由自在に伸び縮みする「花入れ」です。
ペットボトルや空き瓶などにかぶせるだけで、
オシャレに生まれ変わります。
 
 
「花入れ」は、機械を使って針金をコイル状に巻いて作られます。
動きは予め機械にプログラムされていますが、
SPRING SPRING」の「花入れ」は、
直径や針金間の距離が一定の通常のバネとは違って、
太さや針金間の距離が一定ではないため、
職人の感覚と手作業で調整しなければなりません。
 
 
「弾む」「伸びる」「つながる」「へこたれない」。
バネの特長を表す言葉は元気の出る言葉ばかりです。
「バネ(スプリング)」と「春(スプリング)」の語源は
実は同じなのだそうです。
いつもは身の周りにあるものの、
部品として生活を影から支えている「バネ」を
部品の一部として機能的に働くのではなくて、
人の気持ちを弾ませるための、気持ちに作用する”バネが
SPRING SPRING」なのだそうです。
 
 
 
 

3.三代目板金屋「KANZASHI」(山崎製作所)


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ダリアの花をモチーフにしたステンレス製のかんざしが人気です。
丈夫でありながら、繊細で、柔らかで丸みのある風合いです。
この繊細な技術は全て金属を精密に加工する技術から生まれたものです。
 

作っているのは、
山崎製作所という精密板金・板金加工を得意とするメーカーです。
 
静岡の板金技術は、
徳川家康により全国から駿河に集められた
鎧、刀等の職人達の技術と感性をルーツにしています。
 


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山崎製作所では、平成27(2015)年1月に、
メタルプロダクトブランド「三代目板金屋」を立ち上げ、
板金の更なる可能性に挑戦し続けています。
 

 
「KANZASHI」は、「ラクして、キレイ」がコンセプトの
新感覚ヘアアクセサリーです。
和をモチーフにした、
切り絵のような美しいデザインの「髪飾り」です。
 

 
女性の髪にしっくりと収まるよう丸みを持たせ、
簡単に自分で髪をアップ出来るようになっています。
ステンレスの1枚板から切り出した一体型なので、
使い続けても輝きが変わらず、耐久性が高い逸品です。
 

 
 
男性が多い板金業界で、かんざしを手掛けるのは女性社員達です。
 

 
かんざしの素材は厚さ2.5㎜のステンレスの板です。
その板を、精密機器の製品を製造する際に使うレーザーカッターで
0.5㎜の精度で正確に切り出していきます。
 

 
板から外してバラバラにしたら、
角が尖ったままのダリアの華のかんざしのラインに
丸みをつけていきます。

 
使うのは毛足の長いブラシです。
まんべんなく磨き上げていきます。
角度を変えて、
模様の細部に繊維を食い込ませて丸くしていきます。
 

 
仕上げに研磨剤を使って磨き上げたら、
最後に曲げの施しをして、完成です。
 

 
山崎製作所は、
経済産業省より「地域未来牽引企業」に選出されています。
 
  • 住所:〒424-0065
       静岡県静岡市清水区長崎241
  • 電話:054-345-2186
 

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