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イッピン「自然の恵み 余すことなく〜伊豆大島 椿の品々〜」

<番組紹介>
奈椿(つばき)の実のアクセサリー、
花びらで染めたストール、
生花のようなプリザーブドフラワー。
災害やコロナを乗り越えようとする
伊豆大島300万本のツバキと人々の物語。
 
カラフルでツヤツヤの実のネックレス、
あでやかに染め上げたピンクのストール、
港や民宿で客を迎える
1年半以上製作にかかるプリザーブドフラワー。
いずれもツバキの恵みだ。
今は数人のアクセサリーの作り手は
コロナ禍での観光客減の終息を願い
実の採取から手作りを続ける。
花染めは三原山噴火からの復興のため作られた
落ちた花びらだけを使うエコな名産。
プリザーブドフラワーは
2013年の悲惨な土砂災害を憂う女性が作り始めた。
 
 

 
東京からおよそ120㎞に位置する伊豆大島は椿の島です。
伊豆大島には約300万本の椿が自生しており、
人々は何百年もの間、
鑑賞用としては勿論のこと、
日常生活で椿の恵みを余すことなく大切に利用してきました。
 
「椿油」の他、強くしなやかな椿の木を使った「工芸品」や、
火の持ちが良いとされ灰も白くてキレイな「炭」、
椿の美しさを半永久的に持続させた「プリザーブドフラワー」、
風味豊かなジャムやドレッシングなどの
「食用に加工されたもの」まであり、
椿は本当に様々な用途で使われています。
 

1.椿の実アクセサリー(椿の花工房)

 
椿の花工房」さんでは、
伊豆大島の花木である「椿」を材料として、
椿灰による民芸・焼き物、椿の実によるアクセサリーなど、
手軽に使用してもらえる各種小物類を手作りしています。
 
 
 
椿は、冬から春にかけて美しい花を咲かせ、
2月~3月に小さくて可愛らしい緑色の実をつけます。
収穫の時期は、長年の慣例によって9月の第1週を過ぎてから。
実の形や実の肌の様子を厳選して収穫します。
 
実の肌が余り滑らかでないものは
アクセサリーの素材としては不向きなのだそうです。
天然のものなので、実の大小や形は様々です。
 
一般的に好まれる実の形は、カメの甲羅のような形状の「甲丸」。
「三角」は主にネックレスの素材として使われ、
「四角」「三日月」などは
「甲丸」との組み合わせて使ったりします。
 
厳選された椿の実は、
一つずつ丁寧に手作業で加工、制作されます。
まず、実を乾燥させ、
実の表面のザラザラをなくし滑らかにする「荒磨き」をします。
これを水洗いし研磨剤などを使って研磨する「中磨き」をします。
 
椿の木の実はタンニンが含まれ、茶色などの色のものが多いため、
磨いた後はある程度漂白して染色しやすいように調整し、
それから染料を使って、脱色後の木の実を漬けて染めます。
黒・エンジ色などは、白髪染めなどに使われる薬品
「パラフェニレンジアミン」だそうです。
一定の時間を置いて洗剤を使ってよく洗ったら、
水洗いの後に日陰で乾燥させます。
 
 
  • 住所:〒100-0101
       東京都大島町元町北の山16-5
  • 電話:04992-2-3148
 
 

2.つばき花びら染(椿染の会「夢工房」)

 
伊豆大島では、昭和61(1986)年に
三原山・割れ目噴火という大噴火が起きました。
 
その翌年、女優で染色家の磯村みどりさんと島の主婦達が出会い、
噴火後の観光復興の一環として、
伊豆大島らしい産物にと「つばき花びら染め」は生まれました。
 

 
伊豆大島椿染の会所属の「夢工房」は、
平成5(1993)年に起業しました。
第37回全国推奨観光土産品審査会・
日本商工会議所 会頭賞「つばき花びら染ハンカチ」などが、
上記審査会で受賞しています。
 
「つばき花びら染」は
地元のやぶ椿の花びらを何百もの枚数使って作ります。
やぶ椿の花は比較的美しいうちに、地面に落ちます。
その落ちている椿の花を、ひとつひとつ拾い、
水で洗って泥や土の汚れを落としてから、
キレイな花びらを、ひとひら・ひとひら外していきます。
つばき染めに使える花びらは、一個の花から2枚から3枚。
美しく咲き誇る11月から翌春4月上旬まで
この作業をこつこつと続けるのですから、
とても貴重な染め液と言えます。
 
優しくて美しい自然の色合いと軽やかな風合いの
「つばき花びら染」は、
1枚1枚丁寧に染めるので、
同じ染液を使っても1枚1枚色合いが微妙に違います。
春の陽気のように心を和ませてくれます。
 
椿染の会「夢工房
  • 住所:〒100-0101
       東京都大島町元町字新込126-94
  • 電話:04992-2-2088
 

 
 

椿のプリザーブドフラワー(OSHIMA PRIZA)

平成25(2013)年、伊豆大島は大きな土砂災害の被害に襲われました。
「大島の特産品を開発する会」は
大島の復興を支援する目的で、
島のシンボル「椿」を使った特産品作りに取り組む中、
世界初の生花から創った
伊豆大島椿のプリザーブドフラワーは生まれました。
今では大島町の優良特産品に認定され、
ふるさと納税の返礼品にも指定されています。
 
プリザーブドフラワーは、
生花を特殊な液体に浸して色素を抜き、着色し直して作ります。
そのため、ドライフラワーと異なり、
花の質感を保ちつつ、長期保存出来るのが特徴です。
 
更に「椿プリザ」は、
世界優秀つばき園に認定された椿園の
質の良い椿だけを選定しているため数量限定だそうです。
 
 

tsubakipriza.official.ec

  • 住  所:〒104-0041
         東京都中央区新富2-5-10
         新富ビル5階
  • 電  話:03-6222-8360
  • 営業時間:10:00~18:00
  • 定休日 :不定休
 

 

おまけ

現在(令和4年2月上旬)、伊豆大島では、
一足早い春の訪れを楽しむ島をあげての一大イベント
椿まつり(令和4年1月30日~3月27日)が開催されています。
 
 

oshima-navi.com

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