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美の壺「料理が映える 折敷(おしき)」<File 524>

<番組紹介>
料理研究家・土井善晴さんの「一汁一菜」を支える
折敷(おしき)愛用コレクション公開!
 ▽伝統を受け継ぐ茶懐石の折敷には、
  黒漆や白木など茶人の趣向が
 ▽樹齢250年の吉野杉からうまれる、
  どこまでもシンプルでスタイリッシュ真四角の折敷
 ▽パン・うどん・ワインの晩酌
  フードスタイリスト・高橋みどりさんの
  折敷のある豊かな暮らし
 ▽人気の塗師・赤木明登さんならではの、
  マットな質感の折敷に迫る!
 
 

美の壺1.食卓を豊かに

 

器専門店「暮らしのうつわ花田」 (松井英輔さん)


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料理の器を載せる敷物 折敷(おしき)。
茶事で用いられる道具ですが
近頃はランチョンマットと同じように気軽に楽しむ人が増えています。
 
「折敷」(おしき)
 
器が置かれたトレーのようなもので、
昔は木の葉を折り敷いて、食器の代用としていたことから
「折敷」と呼ぶようになりました。
形は四角いものが一般的だが、半月形や丸形など様々。
特に決められた形がある訳ではなく、
直接料理を盛り付けて使うことも出来ます。
材質は、
杉や檜などの木材の風合いをそのまま活かしたもの、
漆を塗って仕上げたものもあります。
平安時代から既に
庶民の食卓でも使われるようになっており、
その歴史はとても長いです。
 
一見、「お盆」と「折敷」は同じように見えますが、
少し違いがあります。
「お盆」は食器など「物を運ぶもの」で、
「折敷」はその名の通り「敷くもの」です。
「お盆」は運んでいる最中に皿を落とさないように、
「折敷」に比べて縁が少し深めに作られていることが
多いです。
「折敷」の使用シーンとして
真っ先に思い浮かべられるのは「懐石料理」だと思います。
茶事で振る舞われる「茶懐石料理」の中で
最初に出される「折敷」は、飯・汁・向付の3品が
「折敷」の上に料理が載せられて提供されます。
また「折敷」は、神具としての役割も担っています。
神様に献上する食事「神饌」(しんせん)を載せて、
神社や神棚にお祀りする際に用いられています。
「神饌」には、米・酒・塩・水の他、魚や野菜、お菓子など
地域や季節によって様々な食材があります。
 
昭和52(1977)年に開業した
東京都千代田区の器専門店「暮らしのうつわ花田」では、
300名に及ぶうつわ作家の作品を取り扱っています。
2階にはギャラリースペースがあって、
毎月、様々な作家の作品展が催されています。
 
お店には色々な「折敷」が並んでいます。
店主の松井英輔(まつい えいすけ)さんは
「器と食卓の間に折敷が入ることで
 食卓がぐっと引き立ち、
 料理や器がワンランクアップして食卓にメリハリが出る」
と教えてくれました。
和食はもちろん、パスタや丼ものなど
普段使いの食卓にも折敷を使うと食卓が豊かになるそうです。
 
 器専門店
  • 住所:〒102-0074
       東京都千代田区九段南2-2-5
       九段ビル 1・2F
  • 電話:03-3262-0669
 
 

料理研究家・土井善晴さん


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土井善晴さんの食卓には、折敷が度々登場します。
土井さんが提案する「一汁一菜」(いちじゅういっさい)には、
折敷がピッタリなのだとか。
 
 
「折敷は、お料理を載せて「お盆」として使い、
 皆さんの前に出したら「お膳」になる・・・。
 和食の道具というのは、
 非常に汎用性が高くて合理的なんですよ、」
と言う土井さん。
 
土井さん愛用の折敷はどれも
旅先や骨董店などで出会った、
物語のあるものばかりなんだそうです。
 
 
土井さんが折敷に注目するきっかけになったのは、
若い頃に通い詰めた器店の店主の折敷に憧れたこと。
いつもあるもので美味しいごはんを作って出してくれたそうです。
学んだのは、美しいものを楽しみ、お料理を楽しむ美意識。
土井さんは、特注したという木目の美しい折敷を
今でも大切に使っています。
 
 

美の壺2.受け継がれる食の文化

 

MIHO MUSEUM・ミホ ミュージアム


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和食の文化に詳しい 、
MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム) 館長の
熊倉功夫(くまくら いさお)さんにお話を伺いました。
茶懐石では、最初に折敷に乗った料理が出されます。
折敷に載っているのは、「飯・汁・向付」。
1人ずつに出されます。
 
1人用のお膳でごはん食べるという伝統が残ってるのは
茶の湯の「懐石」だけなのだそうです。
茶の湯の懐石は、
「折敷」という「銘々膳」(めいめいぜん)の典型的なものです。
明治時代くらいまでは
この、一人一人に出す食膳である「銘々膳」が一般的でしたが、
その後、一家で卓袱台を囲む食事スタイルに変わって行きました。
 


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  • 住所:〒529-1814
       滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
  • 電話:0748-82-34114
 
 

吉野杉の折敷(木工職人・坪岡常佳さん)

奈良県吉野地方にある 「坪岡林業」(つぼおかりんぎょう)
木工職人・坪岡常佳(つぼおか つねよし)さんは
300年前から木工を生業とする家に生まれ育ちました。
 
坪岡さんは地元特産の「吉野杉」を使った折敷を作っています。
ブランド名は「聖山」(ひじりやま)
一見したところは何の変哲もない厚さ8mmの板。
僅かな傾斜「手がかり」があるだけです。
 
坪岡さんが使うのは、樹齢およそ250年の「吉野杉」です。
山守(やまもり)と呼ばれる人達が
何代にも渡って手入れし、大切に育てて来ました。
 
年輪の間隔が狭く丈夫で水に強い「吉野杉」は
昔から酒樽などに用いられ重宝されてきました。
吉野杉の折敷も、シンプルな形だからこそ細かい木目が際立っています。
 
豆腐や味噌は杉の樽で仕込まれているのだから、
「日本の食文化の中で、杉と食は切り離せない、」と
坪岡さんはおっしゃいます。
 
8年前、坪岡さんは
何とかこの貴重な吉野杉の魅力を伝えるものが作れないものかと
模索していました。
ある日母親が
工場に落ちてる端材をトレー代わりに使っているのを見て、
「折敷」に出来るのではとひらめきました。
今まで、価値がなく捨てるものだった端材に価値を見出した瞬間でした。
「トレー」というよりも 「折敷」という名前がピンと来たそうです。
 
折敷に使うのは、伐採して2年以上乾燥させた吉野杉です。
「赤身」と呼ばれる堅い部分を使います。
細かく均一な年輪、綺麗な木目が飾らず凛とした雰囲気です。
試作を重ねて厚さは8mmに決定。
少しずつ削り磨きをかけると、木目が更に際立ちます。
縁にやすりをかけ、滑らかな手がかりを作って、完成です。
余計なものは何一つない、引き算の折敷。
「折敷をつくる」というよりは
「折敷を使う暮らしをつくりたい」と思いを語っていました。
 

hijiriyama.com

  • 住所:〒639-3118
       奈良県吉野郡吉野町橋屋125−8
  • 電話:0746-52-0118
 

 

 
 

美の壺3.階段と遊ぶ

フードスタイリスト・高橋みどりさん

 
フードスタイリストの高橋みどりさんの朝食の模様が紹介されました。
 
楢の折敷(木工作家・高木克幸さん)
地元の採れたて野菜で作ったスープと焼きたてのパンが載っていたのは、
楢の木で出来た「折敷」です。
木工作家の高木克幸さんが作りました。

katsuyuki-takagi.stores.jp

 
栗の折敷(鎌倉彫・矢沢光広さん)
仕事の合間に頂くお昼ごはんはこの折敷を使います。
ダイナミックな彫り跡のある折敷により、白い丼がキレイに映えています。

arvr.jp

 
輪島塗の折敷(赤木明登さん)


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ザックリとした質感の漆塗りの折敷は
普段使いにもちょっとしたおもてなしにも、
日々の様々なシーンで大活躍しています。
 

 
スクウェアの美しさに
どんな器を盛ろう、どんな料理を盛ろう・・・。
空間に揃えると美しいカタチが広がります。
 

www.nurimono.net

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