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美の壺「煙の魔法 燻製(くんせい)」<File 550>

ベーコンからプリンまで、
食材ごとに使うチップを使い分ける専門店のこだわり!
 ▽アウトドアコーディネーターによる、
  キャンプで手軽にできる料理
 ▽中国料理・脇屋友詞さんは、
  茶葉を使って香り豊かなトロトロ豚肉!
 ▽海外VIPも絶賛!
  しょうゆやオリーブオイルの燻製(くんせい)
 ▽俳優・柳葉敏郎さんは、
  地元秋田の「いぶりがっこ」のおすすめの食べ方紹介!
 ▽ミズナラで作る、北海道の伝統魚介料理!。
 
 
食材を煙で燻して作る「燻製」。
煙の成分が食品に含まれる水分に溶け込むことで生まれる
独特の色や香り。
1万年以上前から世界中で行われてきました。
日本にも様々な燻製があります。
秋田の「いぶりがっこ」もその一つです。
胡椒や醤油などの「燻製調味料」に、燻製のプリンも登場。
今回の「美の壺」は、
火と煙が生み出す、食の芸術「燻製」の奥深い魅力に迫っています。
 
 

美の壺1.煙が引き出す新たな魅力

 

燻製工房 PERTICA

 
 
小田急線梅ヶ丘駅より徒歩3分の所に、
今年、令和3(2021)年2月、燻製専門店がオープンしました。
燻製工房「PERTICA」です。
「PERTICA」には、自家製、無添加にこだわりった燻製を
定番の肉類から魚介、チーズ、プリンまで取り揃えています。

因みに、「PERTICA」とはラテン語で「とまり木」という意味だそうです。

 
 
燻製作りで大事なのが、煙を生み出す「燻煙材」だそうです。
 
サクラのチップと使うと、
鴨は脂身の甘みが増し、肉がしっとりとした舌触りになります。
 

 
ブナを使った燻製は、ちょっと渋みのある香りが楽しめます。
おススメはカキ。
ブナの香りと相俟って、極上のおつまみになります。
 

 
ホワイトオークは、ウイスキーを熟成した樽を砕いたもの。
燻すことで、木に染み込んだウイスキーの香りが食材に浸み込みます。
ホワイトオークで燻した燻製プリンは、
ホワイトオークによって大人なスイーツに変身です。
 

 
この日は定番のスモークチーズを作ります。
使うのは3時間乾燥させたプロセスチーズです。
クッキングシートに均等に並べ、燻製機に入れます。
使うチップは「ホワイトオーク」。
40度で3時間、じっくり燻していきます。
煙は一気に当てるのではなく、ゆっくりと。
少しずつ食材の方に流していきます。
3時間後、煙の向こうに
琥珀色に変化したチーズが現れました。
これを更に一日寝かすと、淡く落ち着いた飴色に変色します。
ホワイトオークのビターで上品な香りとともに、
舌の上でトロリと溶けていきます。
 

 
  • 住所:〒155-0033
       東京都世田谷区梅丘1丁目19−5
       大和ビル 1階
  • 電話:03-5799-7285
 
 

アウトドアコーディネーター・小雀陣二さん


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葉県君津市のキャンプ場で、
アウトドアで簡単に作れる燻製レシピを数多く発表している、
アウトドアコーディネーターの小雀陣二(こすずめじゅんじ)さんに
「ライトスモーク」という燻製法を紹介していただきました。
 

 
まず、豚の肩ロース肉を焼いていきます。
次に、チップを投入。
使うのは、「ヒッコリー」のチップです。
 
「ヒッコリー」
北米原産の落葉樹で、
クルミ科カリア属に含まれる樹木の一般名。
米国のスタンダード燻煙材で、
香りが良く、クセがないのでオールマイティーに
使えます。
 
アルミホイルを被せて5分。
カリッと焼けた表面が、燻すことでより香ばしくなり、
ジューシーさを引き立てます。
 
 
燻製した肉はフォークで解していきます。
サフランライスの上に盛りつければ、
「スモークプルドポークライス」の完成です。
ヒッコリーの強く香ばしい香りと、
サフランのほろ苦い香りが絶妙にマッチしています。
 
「プルドポーク」は、BBQの三大料理
(スペアリブ、ブリスケット、プルドポーク)の
ひとつ。
豚の塊肉をほろほろになるまでじっくり火を通し、
やわらかく肉汁たっぷりに仕上げて細かくほぐした
(Pull)料理。
 
小雀さんに、
お手軽な燻製をもう一つ紹介していただきました。
牛肉を醤油に漬け込んだ後、
洗濯ばさみで吊るして一晩乾燥させます。
それを焚火の上にセットして、30分待つだけ。
薪から出る煙に燻された牛肉の表面が、樹皮のように変化します。
 
嚙む度に、甘辛い醤油の味が口一杯広がります。
煙が生み出す、燻製の醍醐味です。
 
 
 

美の壺2.いぶしの技で千変万化

 

脇屋友詞さん


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中華料理の達人・脇屋友詞(わきやゆうじ)さん。
今回は豚肉を使った燻製です。
使うのは5日間塩漬けにして、2時間煮た豚バラ肉の塊です。
烏龍茶の茶葉を使って燻していきます。
煙がしっかり出てきたら、肉をセットし、ボウルで蓋をします。
強火で2分半、一気に燻していきます。
ツヤツヤな飴色にプルップルの質感になったところで、
仕上げに胡麻油をかければ、
香り豊かな、とろとろ豚肉の燻製の完成です。
烏龍茶の爽やかな香りと、焼けた米の香ばしさが、豚の甘みを引き立てます。
 
脇屋さんは、この燻製肉を使ってもう一品作ってくれました。
蒸しパンに肉をサンドしたものを団子のように積み上げた、
「中秋節」を祝う創作料理でした。
 
 
  • 住所:〒107-0052
       東京都港区赤坂6丁目11−10
  • 電話:03-5574-8861
 
 

赤坂「燻 -kun-」輿水治比古さん

 
赤坂駅徒歩5分。
裏路地に佇む隠れ家レストラン「燻」は、
ジョエル・ロブションや外国首脳など、
世界のVIPも絶賛する店です。
 
オーナーシェフである輿水治比古さんの燻製歴は50年。
輿水さんが特に力を入れて燻製しているのが、調味料の燻製です。
 
液体は通常の燻製法だと、熱で風味が変わってしまいます。
試行錯誤の末考え出したのが、特製の燻製機。
30度以下の低温で、素材に煙だけを当てて燻製することが出来ます。
燻製醤油は、
サクラの煙で4時間以上じっくりと燻製していきます。
 
燻製調味料のおススメの食べ方は、
何と「卵かけごはん」だそうです!
 
まずは「燻製塩」。
燻すことで塩辛さの角が取れ、
まろやかになった塩が 卵のコクを引き立てます。
続いて「燻製醤油」。
燻されてより甘みの感じられる醤油が
卵とごはんと混ざり合い、旨味が舌に残ります。
更に、燻製のオリーブオイルをひと垂らしすると、
リゾットのような味わいに変身します。
そこに、燻製胡椒と燻製胡麻を振り掛けると、
卵かけごはんが、極上のご馳走になりました。
 
 
燻製という調理法が生まれて1万年以上。
素材の新たな魅力を引き出す燻製は、
これからも進化し続けます。
 
※株式会社ストロングハートのECサイトより購入可能です。
 
  • 住所:〒107-0052
       東京都港区赤坂2丁目16−19
       BLUE BLDG B1F
  • 電話:03-5570-4117
 
 

美の壺3.土地の恵みを末永く

 

「いぶりがっこ」(秋田出身の俳優・柳葉敏郎さん)

 
「いぶりがっこ」は、
東北・秋田の地元の農家で伝承されてきた燻製です
大根をナラやサクラの木で燻して乾燥させた後、
ぬか床に40日以上漬け込み、低温で発酵・熟成させた漬物です。
 

 
そんな郷土の伝統食「いぶりがっこ」をこよなく愛する人がいます。
秋田出身の俳優、柳葉敏郎さんです。
地元では、種類は勿論、食感も大事なポイント。
柳葉さんのイチ押しは、薄く切って一晩置いたものです。
それを水にさらし、ごはんの上にのっけて、
最後にミョウガを散らせば、完成です。
 
 

オホーツク燻製工房「フューモアール」・3代目 安倍哲郎

 
オホーツク海に面した港町・北海道紋別市で
90年以上に渡って伝統の燻製を作り続けてきた工房があります。
オホーツク燻製工房「フューモアール」で、
その3代目安倍哲郎さんにお話を伺いました。
 
冷凍技術がまだ発達していなかった頃、
北海道の魚介の燻製は重宝されていました。
 

 
この日作っていたのは、サバの燻製です。
サバは身が柔らかいため、
出来上がりの美しさを損なわないように、
全て手作業で行われます。
 

 
塩水につけたサバを一晩しっかり乾燥させます。
父の代から50年以上使われてきた燻製小屋で燻していきます。
煙を作るのはおがくずは、地元のミズナラを使っています。
そのおがくずを燻製棚の下に設置します。
おがくずの盛り方にも安倍さんならではの工夫があります。
 

 
「ここから燃え始めて、
 大体、15時間位かかって燃えるんだけど
 煙の量が表面積が大きい分だけいっぱい出るような気がして
 だんだんこういう形になってきちゃったんですよね。」
 

 
北海道で受け継がれてきた魚介の燻製。
その味を残していくため、
安倍さんは、日々、研究・調整しながら、作業をしています。
 

 
ここから先は煙任せです。
おがくずは夜通し燃え、サバを燻し続けます。
出来上がった燻製は、
オホーツクの風土と職人の技が出会って生まれた、
慎ましくも美しい燻製です。
 
 
  • 住所:〒094-0002
       北海道紋別市真砂町2丁目2−15
  • 電話:0158-23-3615
 
 

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