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美の壺「煙の魔法 燻製」<File 550>

<番組紹介>
ベーコンからプリンまで、食材ごとに使う
チップを使い分ける専門店のこだわり!
 
▽アウトドアコーディネーターによる、
 キャンプで手軽にできる料理
▽中国料理・脇屋友詞さんは、
 茶葉を使って香り豊かなトロトロ豚肉!
▽海外VIPも絶賛!
 しょうゆやオリーブオイルの燻製(くんせい)
▽俳優・柳葉敏郎さんは、
 地元秋田の「いぶりがっこ」の
 おすすめの食べ方紹介!
▽ミズナラで作る、北海道の伝統魚介料理!
 
<初回放送日:令和3(2021)年9月10日>
 
食材を煙で燻して作る「燻製」(くんせい)
煙の成分が食品に含まれる水分に溶け込むことで生まれる独特の色や香り。
1万年以上前から世界中で行われてきました。
 
日本にも様々な燻製があります。
秋田の「いぶりがっこ」に、
胡椒や醤油などの燻製調味料や、
燻製のプリンと、その可能性は留まるところを知りません。
 
火と煙が生み出す食の芸術「燻製」の
その奥深い魅力に迫ります。
 
 
 

美の壺1.煙が引き出す新たな魅力

 

燻製工房 PERTICA(ペルティカ)


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小田急線梅ヶ丘駅より徒歩3分、
梅ヶ丘の商店街の一角に、
「燻製バルPertica」「smoke works」のオーナー片桐 晃さんが令和3(2021)年2月オープンさせた
燻製専門店「燻製工房Pertica」でがあります。
「Pertica」とはラテン語で「とまり木」という意味だそうです。
 
お店に入ると、ガラスのショーケースが
あります。
その中には、ベーコン、鴨肉、チーズなど、
自家製、無添加にこだわった燻製が
定番の肉類から魚介、チーズ、
更にはプリンまで並んでいます。

 
燻製作りで大事なのが、煙を生み出す
「燻煙材」(くんえんざい)です。
 
「燻煙材」(スモークウッド)
 
燻製を作る際に必要な煙を出すための木材。
燻製の風味付けに使用します。
さくらやナラ、ヒッコリーなどの樹種を
粉にしてから角状に固めたもので、
熱源で炙って煙が出る「スモークチップ」とは異なり、「スモークウッド」本体に
直接火を付けるだけで燻せる点が最大の特長。
 
 
サクラのチップと使うと、
鴨の脂身の甘みが増して、
肉がしっとりとした舌触りになります。

 
「ブナ」を使った燻製は、ちょっと渋みのある香りが楽しむことが出来ます。
「牡蠣」の燻製に用いると、ブナの香りと
相俟って、極上のおつまみになります。
 

 
「ホワイトオーク」は、ウイスキーを熟成した樽を砕いたものです。
燻すことで、木に染み込んだウイスキーの香りが食材に浸み込みます。
 
ホワイトオークで燻した「燻製プリン」は、
大人なスイーツに変身です。
 

 
 
この日は定番のスモークチーズを作ります。
使うのは3時間乾燥させたプロセスチーズです。
クッキングシートに均等に並べて、
燻製機に入れます。
 
使うチップは「ホワイトオーク」。
40度で3時間、じっくり燻していきます。
 
煙は一気に当てるのではなく、ゆっくりと。
少しずつ食材の方に流していきます。
3時間後、煙の向こうに
琥珀色に変化したチーズが現れました。
これを更に一日寝かすと、
淡く落ち着いた飴色に変色します。
ホワイトオークのビターで上品な香りとともに
舌の上でトロリと溶けていきます。

 
  • 住所:〒155-0033
    東京都世田谷区梅丘1丁目19−5
    大和ビル 1階
  • 電話:03-5799-7285
 
 

アウトドアコーディネーター・
小雀陣二さん


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アウトドアコーディネーターの
小雀陣二(こすずめじゅんじ)さんは、
アウトドアで簡単に作れる燻製レシピを
数多く紹介しています。
今回は、千葉県君津市のキャンプ場で、
「ライトスモーク」という燻製法を
紹介していただきました。
 

 
 
まず、豚の肩ロース肉を焼いていきます。

 
次に、チップを投入。
使うのは、「ヒッコリー」のチップです。
 
「ヒッコリー」
北米原産のクルミ科カリア属の落葉樹。
米国のスタンダード燻煙材で、香りが良く、
クセがないのでオールマイティーに使えます。
 
アルミホイルを被せて5分。
カリッと焼けた表面が、
燻すことでより香ばしくなり、
ジューシーさを引き立てます。

燻製した肉はフォークで解していきます。
サフランライスの上に盛りつければ、
「スモークプルドポークライス」の完成です。
ヒッコリーの強く香ばしい香りと、
サフランのほろ苦い香りが絶妙にマッチしています。
 
「プルドポーク」は、BBQの三大料理
(スペアリブ・ブリスケット・プルドポーク)のひとつ。
豚の塊肉をほろほろになるまで
じっくり火を通し、やわらかく肉汁たっぷりに仕上げて細かく解した(Pull)料理。
 
 
小雀さんに、お手軽な燻製をもう一つ紹介していただきました。
牛肉を醤油に漬け込んだ後、
洗濯ばさみで吊るして一晩乾燥させます。
 
それを焚火の上にセットして、30分待つだけ。
薪から出る煙に燻された牛肉の表面が
樹皮のように変化します。
 

 
嚙む度に、甘辛い醤油の味が口一杯広がります。
煙が生み出す、燻製の醍醐味です。
 
 
 
 

美の壺2.いぶしの技で千変万化

 

脇屋友詞さん


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中華料理の達人・脇屋友詞(わきやゆうじ)さん。
今回は豚肉を使った燻製です。
 

 
使うのは、5日間塩漬けにして2時間煮た
豚バラ肉の塊です。
烏龍茶の茶葉を使って燻していきます。
煙がしっかり出てきたら、肉をセットし、
ボウルで蓋をします。
強火で2分半、一気に燻していきます。
ツヤツヤな飴色に
プルップルの質感になったところで、
仕上げに胡麻油をかければ、
香り豊かな、とろとろ豚肉の燻製の完成です。
烏龍茶の爽やかな香りと、
焼けた米の香ばしさが
豚の甘みを引き立てます。
 
脇屋さんは、この燻製肉を使って
もう一品作ってくれました。
蒸しパンに肉をサンドしたものを
団子のように積み上げた、
「中秋節」を祝う創作料理でした。
 
燻製という調理法が生まれて1万年以上。
素材の新たな魅力を引き出す燻製は、
これからも進化し続けます。
 
※株式会社ストロングハートのECサイトより
 購入可能です。
 
  • 住所:〒107-0052
    東京都港区赤坂2丁目16-19
    BLUE BLDG B1F
  • 電話:03-5570-4117
 
 
 

美の壺3.土地の恵みを末永く

 

「いぶりがっこ」
(秋田出身の俳優・柳葉敏郎さん)

 
「いぶりがっこ」は、東北・秋田の農家で
伝承されてきた燻製です
大根をナラやサクラの木で燻して乾燥させた後
ぬか床に40日以上漬け込み、
低温で発酵・熟成させた漬物です。
 

 
そんな郷土の伝統食「いぶりがっこ」を
こよなく愛する人がいます。
秋田出身の俳優、柳葉敏郎さんです。
地元では、種類は勿論、
食感も大事なポイントだそうです。
柳葉さんのイチ押しは、
薄く切って一晩置いたものです。
それを水にさらし、ごはんの上にのっけて、
最後にミョウガを散らせば、完成です。
 
 
 

オホーツク燻製工房「フューモアール」
3代目 安倍哲郎

 
オホーツク海に面した港町・北海道紋別市で
90年以上に渡って伝統の燻製を作り続けてきた工房があります。
オホーツク燻製工房「フューモアール」で、
その3代目安倍哲郎さんにお話を伺いました。
 
冷凍技術がまだ発達していなかった頃、
北海道の魚介の燻製は重宝されていました。
 

 
この日作っていたのは、サバの燻製です。
サバは身が柔らかいため、
出来上がりの美しさを損なわないように、
全て手作業で行われます。
 

 
塩水に浸けたサバを一晩しっかり乾燥させます。
それを父の代から50年以上使われてきた
燻製小屋で燻していきます。
煙を作るのはおがくずは、
地元のミズナラを使っています。
そのおがくずを燻製棚の下に設置します。
おがくずの盛り方にも
安倍さんならではの工夫があります。
 

 
「ここから燃え始めて、
 大体、15時間位かかって燃えるんだけど
 煙の量が表面積が大きい分だけ
 いっぱい出るような気がして
 だんだんこういう形に
 なってきちゃったんですよね。」
 

 
北海道で受け継がれてきた魚介の燻製。
その味を残していくため、
安倍さんは、日々、研究・調整しながら、
作業をしています。
 

 
ここから先は煙任せです。
おがくずは夜通し燃え、サバを燻し続けます。
出来上がった燻製は、オホーツクの風土と
職人の技が出会って生まれた、
慎ましくも美しい燻製です。
 
  • 住所:〒094-0002
    北海道紋別市真砂町2丁目2-15
  • 電話:0158-23-3615

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