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栃木県「みかも焼」

『万葉集』には次のような歌が詠まれています。
 
「下野の三毳の山の小楢(こなら)のす
 まぐはし児ろは誰が笥(たがけ)か持たむ」
 
 ~下野の三毳山のコナラの木のように可愛らしい娘は、
  誰のお椀を持つのかな(誰と結婚するのかな)~

三毳山(みかもやま)は佐野市と岩舟町の堺にあります。
三毳山(みかもやま)周辺では、
1200年前の平安時代から、
下野の国の国分寺や国分尼寺の屋根瓦を焼いていました。
今でも窯の跡が残っています。
 
第二次大戦前までは、甕の他に
獅子噛火鉢、ほうろく、植木鉢などの土器の製作が盛んでした。
 
大戦後は、政府による食料増産のための農地拡張政策に伴い、
三毳地方の土器製造メーカーは、
水田用の暗渠土管製作に事業の主力が移り、
土管の町として栄えました。
 
「みかも焼」は
基本的には三毳山周辺で取れる土が使われています。
この土には鉄分が多く含まれていて、
焼くと黒っぽくなり、素朴で温かみのある焼き物に仕上がります。
鉄分には抗菌作用があるので水が腐りにくく、
花瓶などは花が長持ちすると言われて、評判です。
 
水道水のカルキも抜けたり、
お酒も浄化されてまろやかになると言われています。