美しい自然に囲まれた鳥取県。
鳥取砂丘を思いがちですがそれだけでなく、
焼き物の生産も盛んです。
鳥取県は土や石の種類が豊富だったことから、
江戸時代に焼き物が盛んになりました。
そこに新風を吹き込んだのは、
柳宗悦氏が提唱した「民藝」に影響を受け共感した、
この地で民藝運動を牽引した医師・吉田璋也氏でした。
吉田氏は鳥取に古くから残る
様々な手仕事(陶磁器、木竹工、染織など)を取り上げ、
職人を指導し、次々と新しい商品を製作、
それらを「新作民藝」と名付けました。
鳥取市には、吉田璋也自らが設計した「鳥取民藝美術館」があります。
【鳥取民藝美術館】
— curiositydriving (@curiositydrivin) September 12, 2019
[所在地] 鳥取県鳥取市栄町651
[竣工] 1957年12月/1961年(増築)
[設計] 基本設計⇒吉田璋也 実施設計⇒太平土建(株)/増築時実施設計⇒桑本建築士事務所
[構造] RC造/S造(増築時)
[規模] 地上2階・地下1階(一部)
[施工] 太平土建(株)/釜田組(増築時)#鳥取市 #CD201909 pic.twitter.com/t3AVbEufoJ
- 住所:〒680-0831
鳥取県鳥取市栄町651
(JR鳥取駅から徒歩5分) - 電話:0857-26-2367
モルタル塗りに漆喰仕上げの土蔵造りの「鳥取民藝美術館」は、
国の有形文化財に登録されています。
館内には、吉田璋也が国内・海外で収集した民芸品が
展示されています。
併設の「たくみ工藝店」では、
「因州・中井窯」、「延興寺窯」、「山根窯」など、
鳥取にある窯元の器をまとめて見ることが出来ます。
また、吉田璋也が自らプロデュースした暮らしの道具や
生姜せんべいなどを買うことが出来ます。
吉田璋也と親交が深かった
島根県の「出西窯」や「湯町窯」の器の他、
全国の器も多数揃っています。
鳥取県にはおよそ30の窯元が点在しています。
吉田氏の精神は次の世代の職人に受け継がれ、
現在も生活に寄り添うものづくりが盛んに行われています。
- 福光焼(ふくみつやき)
- 因州・中井窯(いんしゅうなかいがま)
- 国造焼(こくぞうやき)
- 山根窯
- 黒見焼 (くろみやき)
- 大山焼久古窯 (だいせんやきくごがま)
- 延興寺窯 (えんごうじがま)
- 岩井窯 (いわいがま)
- 因久山焼 (いんきゅうざんやき)
- 牛ノ戸焼 (うしのとやき)
- 上神焼 (かづわやき)
- 上神焼上神山窯 (かづわやきかづわざんがま)
- 法勝寺焼松花窯 (ほっしょうじやきしょうかがま)
- 法勝寺焼皆生窯 (ほっしょうじやきかいけがま)
- 浦富焼 (うらどめやき)
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福光焼(ふくみつやき)
1980年に鳥取県倉吉市福光にて河本賢治さんが開窯。
現在も、蹴りロクロ、登り窯により作陶されています。
福光焼
- 住所:倉吉市福光800-1
- 電話:0858-28-0605
因州・中井窯(いんしゅうなかいがま)
中井窯は昭和20(1945)年、
鳥取県河原町に牛ノ戸窯の脇窯として個人窯を築窯。
鳥取民芸運動の指導者・吉田璋也氏の指導により
新作民芸に取り組みました。
牛ノ戸焼より受け継ぐ
緑・黒・白の釉薬を使い染め分けられた大胆なデザインが特徴です。
- 住所:鳥取市河原町中井243-5
- 電話:0858-85-0239
国造焼(こくぞうやき)
明治23(1890)年に創業。
現在は四代目の山本佳靖さんが
シンプルで洗練されたデザインの器を作陶しています。
国造焼
- 住所:倉吉市不入岡390
- 電話:0858-22-8388
山根窯
昭和60(1985)年、青谷町山根で開窯。
蹴りロクロを使い、登窯で焼成。
山根窯
- 住所:鳥取市青谷町山根190-1
- 電話:0857-86-0531
黒見焼 (くろみやき)
民芸家の吉田璋也の紹介で因州中井窯にて陶技を修得。
昭和47年、倉吉の黒見で登り窯を築きました。
黒見焼
- 住所:倉吉市黒見町269
- 電話:0858-28-0857
大山焼久古窯 (だいせんやきくごがま)
大正時代に焼かれていた大山焼を再興し、昭和45年開窯。
大山焼久古窯
- 住所:伯耆町久古1401
- 電話:0859-68-2098
延興寺窯 (えんごうじがま)
昭和54年春に開窯。
山下清志さんの「瑠璃釉張紋カップ」です。
延興寺窯
- 住所:岩美郡岩美町延興寺525-4
- 電話:0857-73-1219
岩井窯 (いわいがま)
吉田璋也の民芸運動に影響を受け陶芸を志し、
昭和46年に岩井の地で開窯。
岩井窯
- 住所:岩美郡岩美町宇治134-1
- 電話:0857-73-0339
因久山焼 (いんきゅうざんやき)
江戸時代の中期、明和年間(1764-1772)に、
鳥取藩主池田侯に招かれた京都の陶工が築窯。
藩の御用窯として茶器などを焼かせたのが始まり。
因久山焼窯元
- 住所:八頭郡八頭町久能寺649
- 電話:0858-72-0278
牛ノ戸焼 (うしのとやき)
昭和初期に衰退していた牛ノ戸焼を復興。
牛ノ戸焼窯元
- 住所:鳥取市河原町牛戸185
- 電話:0858-85-0655
上神焼 (かづわやき)
この地方で古くから
「伯尾山」「伯州尾山」といった名称で製陶。
現在の上神焼窯元は、
昭和18年に初代窯主によって築かれたものです。
上神焼窯元
- 住所:倉吉市不入岡395
- 電話:0858-22-8389
上神焼上神山窯 (かづわやきかづわざんがま)
絶えかけていた上神焼の再興を願って開窯。
上神焼上神山窯元
- 住所:倉吉市上神326-1
- 電話:0858-22-5705
法勝寺焼松花窯 (ほっしょうじやきしょうかがま)
約250年前、江州(滋賀県)の陶工丈助により製陶。
明治38年に初代が築窯して法勝寺焼を創設。
法勝寺焼松花窯
- 住所:西伯郡南部町落合257
- 電話:0859-66-2052
法勝寺焼皆生窯 (ほっしょうじやきかいけがま)
昭和36年に、法勝寺焼二代目が松花窯の脇窯として
皆生に登窯を築いたのが始まり。
法勝寺焼皆生窯
- 住所:米子市皆生温泉2-19-52
- 電話:00859-33-2826
浦富焼 (うらどめやき)
江戸の末期から明治維新で廃藩になるまで数十年間、
染付の日用雑器が焼かれていました。
昭和46(1971)年、桐山城趾の山麓に開窯。
浦富焼窯元
- 住所:岩美郡岩美町浦富3174-3
- 電話:0857-72-0250