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富山県「越中瀬戸焼」

 
「越中瀬戸焼」(えっちゅうせとやき)
富山県立山町上末(うわずえ)、瀬戸地区で焼かれている
430年以上の歴史を有する陶芸です。
明治以降、一旦は衰退しますが、昭和に入り再興を果たしています。
あのスティーブ・ジョブズが購入したことで話題になった
焼き物でもあります。
 

 
 

越中瀬戸焼の歴史

 
富山県東部は、古くは「末庄(須恵庄)」と呼ばれ、
陶土と燃料の木材に恵まれた、
平安時代初めより須恵器を焼いていた、日本でも有数の古窯でした。
 
天正16(1588)年頃、前田利家の異母兄で
中新川地方の管理を任された前田五郎兵衛安勝が、
愛知県の瀬戸から瀬戸焼の陶工達を招き、
大窯や登窯を築いて施釉陶器を焼いたことで、
この近辺を瀬戸村と呼ぶようになり、
ここで焼かれる陶器を「越中瀬戸焼」というようになりました。
 
後に藩の御用窯となり、
瀬戸村では20基以上の登窯が築かれると
村民挙げて半農半陶で300年間窯煙を上げ続け、
越中を代表する窯場となりました。
 
初期の灰釉に、黒茶の鉄釉、藁灰釉、銅緑釉等が加わり、
多彩な釉薬を用いて日常の器から茶道具まで、
様々な焼き物が作られました。

しかし明治時代以降になると、
多くの窯が瓦業に転じ、陶器生産は次第に縮小。
また他国の陶磁器に押されるなどして、
すっかり衰退してしまいました。
 
これを憂いた地元有志は、
昭和時代に入り、瀬戸焼保存会を設立し、再興を果たしました。
 
現在は、五窯元が「かなくれ会」を結成し、
「陶農館」に在籍する二人の研修生が加わった、
20代から60歳代と若い年代の作り手で、
「今を継ぐ新たな越中瀬戸焼」を目指して作陶に励んでいます。
 


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「陶農館」は430年以上の伝統を持つ
越中瀬戸焼と農業の
「陶農一体」の文化を伝えることを目的とした施設です。
5人の作家の作品の展示・販売に加え、
陶芸教室や登り窯の貸し出しも行なっています。
 
越中瀬戸焼「陶農館
  • 住  所:富山県中新川郡立山町瀬戸新31
  • 営業時間:9:00~16:00
  • 定 休 日 :火曜日・年末年始
         (12月29日~1月3日)
  • 電  話:076-462-3929
 
 
 
 

越中瀬戸焼の特徴

 
立山山麓の新瀬戸地域では、
焼き物作りに適した良質な陶土が豊富に産出されています。
今でも、茶褐色、黄色、青、赤茶と
多種多様な粘土を掘って利用し、幅広い作陶を展開しています。
 
その中でも特別な粘土と言えるのが「白土」です。
「白土」は鉄分がなく、粒子は細かく耐火度が高いのが特徴です。
登り窯の高温部で焼くと
陶器でありながら、精緻な磁器の性質に近づいて行きます。
伝世する秀品の多くは、この白土から作陶されたものです。
 
また、他の土も性質に合わせた
多種多彩な焼き物が作られて来ました。
多彩な釉薬を溶きかけ流すなどして大胆に使い
模様をつけることが特徴です。
多くは素朴で穏やかで、
まるで富山県人のような実直な焼き物です。
 
因みに、「瀬戸物」の語源になった尾張の瀬戸焼は
今では「磁器が中心」になっていますが、
「越中瀬戸焼」では同じ「瀬戸焼」とは言うものの、
「陶器」が作られています。
 
 

越中瀬戸焼の窯

越中瀬戸焼では、今でも各陶芸家は
自ら土を掘り、成形し、窯焚きを一貫して行なっています。
そして、電気窯・ガス窯が多くなる現代の陶芸においても、
登り窯、穴窯、いってこい窯などといった、
伝統的な薪窯が活躍しています。
 
<いってこい窯>
焚口の上に煙突があり、炎が焼成室全体を走って
煙突方向に帰って来るとからこの名前がついています。
効率良く短時間で焼成することが出来、
焼締め、釉薬物ともに、薪窯の雰囲気を得ることが出来ます。
 
庄楽窯
庄楽窯」は、明治に入り、廃窯が相次ぐ中で、
昭和22(1947)年に、釋永(しゃくなが)庄次郎さんが
「越中瀬戸焼」の復興を志して開いた窯元です。
現在は、孫の釋永由紀夫さんが窯を継承。
立山町若手陶芸家集団「かなくれ会」の指導も行っています。
 
ところで、こちらがスティーブ・ジョブズが作品を購入したという窯元です。
今から20年程前、京都のギャラリーで釋永由紀夫さんが個展を開いた際に、『トイストーリー』のプロモーションで来日していたApple復帰前でNeXT時代のジョブズ夫妻が購入したそうです。
その後、ジョブズ氏が亡くなるまでに3、4回オーダーが入ったそうです。
 
 
ご長男の釈永岳さんは、東京芸大彫刻科出身の陶芸家で、
欧州を舞台に活動されています。

gaku-shakunaga.com

 
お嬢さんの陽さんは、京都府立陶工高等技術専門校修了後、
庄楽窯で作陶した後、
立山町の虫谷地区に移り、釋永陽陶芸工房を立ち上げました。

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  • 住所:〒930-3245
       富山県中新川郡立山町上末51
  • 電話:076-462-2846
 
釋永陽陶芸工房


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釋永由紀夫さんの長女・陽さんの窯元です。
陽さんは、京都府立陶工高等技術専門校修了後、
庄楽窯で作陶。25歳からは個展活動も開始しています。
平成26(2014)年に、立山町の虫谷地区に引っ越し、
ご主人の和紙工房、陽さんの陶芸工房を立ち上げました。
 
 
  • 住所:〒930-3223
       富山県中新川郡立山町虫谷29
  • 電話:076-463-2233
 
四郎八窯

昭和51(1976)年に加藤四佐吉さんが「四郎八窯」を築窯。
現在は息子の聡明さんが窯を継承。
「一窯・二土・三作り」という言葉を忘れずに
作陶を続けています。
「いってこい窯」を使い、変化に富んだ作品を作っています。
 
四郎八窯
  • 住所:〒930-3244
       富山県中新川郡立山町上瀬戸42
  • 電話: 076-463-4168
 
千寿窯

 
「千寿窯」の初代・吉野香岳(政次)さんは、
石川県小松出身。
昭和18(1943)年に
越中瀬戸焼保存会の招きでこの地に来ました。
越中瀬戸焼の復興に努力し、
昭和32(1957)年にを築窯しました。
 
現在は、平成22年に
3代目・香岳(弘紀)さんが受け継いでいます。
土を採取し精製、
木や藁を灰にし調合をして釉薬を作り、
薪窯(登窯)での焼成により
風土に根差した独自の焼き物を作陶されています。
初代香岳が先代が築いた技術をしっかり受け継ぎ、
自分なりの形や色をプラスしていくのが
「千寿窯」の伝統だそうです。
 
千寿窯
  • 住所:〒930-3245
       富山県中新川郡立山町上末216
  • 電話:076-463-1774
 
枯芒ノ窯(かれすすきのがま)
北村風巳さんは富山市出身。
「陶農館」で陶芸体験をしたことがきっかけで
陶芸を初めました。
 
佐賀県唐津や、China、韓国を巡った後、
再び館山に戻って、平成23(2011)年に築窯。
昔ながらの手法にこだわり作陶に励んでいます。
富山大和での個展、
台湾、ドバイでの展示など、国内外で作品を発表しています。
 
 
  • 住所:〒930-3245
       富山県中新川郡立山町上末8-1
  • 電話:076-462-7180