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美の壺「まっすぐ清らか 竹」<File 584>

<番組紹介>
「竹の寺」と呼ばれる京都の寺。
美しい竹林を作り上げる手入れとは?
 
▽名人の心意気が生み出す「京銘竹」の世界
▽さまざまな物語とともに受け継がれる
 「茶杓(ちゃしゃく)」。
 千家十職の黒田家の見極めとは?
▽室町時代から500年以上伝えられてきた
 「茶筅(ちゃせん)」の技
▽建築家・隈研吾さんが語る「竹と日本人」
▽世界が注目する巨大な「竹アート」。
 伝統と現代を融合させる製作現場に密着!
 
<初回放送日:令和5(2023)年7月12日>
 
 
 

美の壺1.「竹林」
手をかけるほどに輝く

 

竹の寺 地蔵院(住職・藤田正浩さん)


www.youtube.com

 
京都府西京区にある竹の寺 地蔵院は、
貞治6(1367)年に室町幕府管領の細川頼之が
宗鏡禅師を招いて建立した臨済禅の寺院です。
境内が広く竹林で覆われていることから
通称「竹の寺」と呼ばれ親しまれています。
 
参道の両側に並ぶ青竹が
参拝に来た人を迎えて本堂へと導きます。
住職の藤田正浩(ふじたしょうこう)さんは
毎朝、参拝者が訪れる前に、
竹林の手入れを欠かしません。
 
美しい竹林作りには、
竹と竹の間隔が大切だそうで、
景観や日当たり、風通しなどを考えながら、
毎日、3時間かけて手入れを行っています。
チェーンソーを使うとうるさ過ぎるので、
住職は鋸で竹を切ります。
 
禅寺は一見自然に見せていても、
究極の人工美だとおっしゃいます。
参拝の人々が気持ち良いと思われるような
竹林を作るため、一生懸命手を加えています。
 
因みに竹の寺 地蔵院は、一休禅師が
幼少時を過ごした寺としても有名です。
 

www.takenotera-jizoin.jp

  • 住所:〒615-8285
    京都市西京区山田北ノ町23
  • 電話:075-381-3417
 
 

京銘竹の製造
(「清水銘竹店」代表 清水良廣さん)

 
京都府の西南部に位置し、
西日本で最も小さい向日市(むこうし)
市の西部には丘陵が細く長く横たわり、
古より国内有数の竹産地です。
 
 
そしてこの地域で採れる京たけのこの
「乙訓(おとくに)たけのこ」は、
真っ白な見た目が美しく、
柔らかく、甘みのあることから
「白子(しろこ)たけのこ」とも呼ばれて、
全国的に名を馳せています。
 
 
そんな向日市で、代々竹材業を営み、
竹林での育成作業から製品の段階までを
一貫して行っている「清水銘竹店」の代表・
清水良廣(しみずよしひろ)さんに
立派な竹林を見せていただきました。
 
春先の竹林の楽しみは
何と言っても「たけのこ」です。
「たけのこ」は、空気に触れ光に当たると
硬くなる性質があります。
そのため、地表面に出てくるまで
「ほり」と呼ばれる京都独特の伝統の鍬を
使って堀り出します。
 
清水さんが次に向かったのは、
建築や竹細工に使う竹を採るための竹林です。
清水銘竹店」では、京都で生産されている
建築用や装飾品用などに用いられる竹材、
「京銘竹」(きょうめいちく)を作っています。
 
<白竹(しらたけ)>
9月~12月に伐竹された竹を火あぶりにより油を抜き天日で干し、完全に乾燥させ、
丁寧に磨き上げることで、美しい光沢を発するようになります。
建築を始め、茶道具や民芸品など幅広い分野で使用される 最も生産量の多い銘竹です。
 
<図面角竹(ずめんかくちく)>
筍が地上に顔を出してから柔らかい内に木枠に入れて四角の竹にした後、硫酸と砂などを混ぜた液を特殊なハケで棹につけることで、模様がつきます。
角竹というだけあって、竹の切り口は四角になっています。
飾り柱、花器、椅子、床机等風情ある家具に用いられます。
 
<胡麻竹(ごまだけ)>
竹の上部を切り取り、残った枝を全て枝打ちし半枯れ状態にすると、光合成による栄養分が作れなくなり、稈面全体にきれいな胡麻状の斑点が現れたものです。
茶道具を始め工芸品や建築材など、多岐に渡り利用される銘竹です。
 
<亀甲竹(きっこうちく)>
孟宗竹の突然変異により、亀の甲羅のような形になったもの。
白竹と同様に火あぶり法で磨き上げます。
床柱・花器・結界など 高級竹材として幅広く利用されています。
 
 
およそ600種ある日本の竹ですが、
竹材に向くのはほんのわずかだそうです。
 
・孟宗竹(もうそうちく):太く高く育つ
・しぼ竹(しぼちく)  :縦に筋の入った
・真 竹(まだけ)   :弾力に優れた
・黒 竹(くろちく)  :独特の黒が映える
・淡 竹(はちく)   :淡い緑をした
・胡麻竹(ごまだけ)  :胡麻のような模様の
・亀甲竹(きっこうちく):亀の甲羅のような
 
竹材にするのは、3年から5年の竹が
適していると言われます。
竹の採集から「京銘竹」の「白竹」を製造する工程を見せていただきました。
 
まず水洗いしながら丹念に品質を確認します。
次に、火にかけて中から滲み出てくる
余分な油分を拭く「油抜き」の作業を行ってから
磨いていきます。
こうすることでカビや虫の被害などを防ぎ、
長く持つ竹材になるそうです。
 
次は「矯め直し」(ためなおし)といって、
わずかに曲がった竹を
真っ直ぐにしていく作業を行います。
反りを見極め、熱いうちに
一本一本矯正します。
 
その後、数週間天日干しをすると、
クリーム色で艶のある京銘竹のひとつ、
「白竹」(しらたけ)が完成しました。
 
良い竹で良い素材の「京銘竹」を
こしらえようと努力している清水さん。
竹を見極め、竹を生かす職人の技です。
 
  • 住所:〒617-0006
    京都府向日市上植野町桑原13-1
    清水銘竹倉庫
  • 電話:075-933-6885
 
 

美の壺2.「茶道具」
その1本に宇宙を見る

 

茶席の竹製品

 
茶席では様々な竹製の道具が使われています。
「茶の湯」を大成した千利休は、
高級な材料ではなく、
どこにでも生えている竹を使うことで、
「侘び寂びの精神」を高めたと言われています。
 
「祇園祭の斎竹で作った茶杓」
(岩崎源さん、熊倉功夫さん)
「茶杓」(ちゃしゃく)は、様々な物語と共に
受け継がれる大切な竹製の道具です。
 
京都市北区にある千利休ゆかりの寺、
大徳寺塔頭・瑞峯院(ずいほういん)
表千家茶道教授の岩崎源さんが
茶会を開きました。
 
  
 
本日の正客(しょうきゃく)は、歴史学者で、
信楽町にある「MIHO MUSEUM」館長の
熊倉功夫(くまくら いさお)さんです。
 
今回の茶会では、表千家十四代家元・
而妙斎(じみょうさい)の書付のある、
祇園会斎竹茶杓で「清涼」(せいりょう)という
銘の茶杓が用いられました。
 
お道具の拝見で、「茶杓」のご由緒を伺うと、
「祇園祭」の山鉾巡航(やまほこじゅんこう)
稚児が断ち切る注連縄(しめなわ)を結んでいた
斎竹(いみだけ)から作られた茶杓とのこと。
 
京都の7月といえば「祇園祭」。
茶の湯では茶杓には
それぞれ「銘」が付けられていますが、
「清涼」(せいりょう)という銘は、
真夏に行われる「祇園祭」らしいですね。
 
熊倉さんによると、「茶杓」は茶人達が
自ら手作りする茶道具だそうです。
千利休から始まって、
それぞれの茶人が思いを込めて
自分で作ったということが非常に大事。
茶杓を握ってみれば、昔の茶人と握手してる
ようなものだと教えてくれました。
 
「茶杓」(ちゃしゃく)
 
茶入れの抹茶をすくい、茶碗に移す匙のこと。
昔は茶人が茶会のたびに手作りしており、
使用も一会限りで 保存の習慣がなかったそうです。
千利休の時代に竹材が主流となり、
茶杓を筒に入れて保存することや
「銘」(めい)をその筒に記すことが
一般的になりました。
「銘」は茶杓の固有の名前であり、
茶人の人柄やその時の心情を伝えるものでもあります。
 
大徳寺 瑞峯院
  • 住所:〒603-8231
    京都府京都市北区紫野大徳寺町81
  • 電話:075-491-1454
 
 

茶杓の材料
(「千家十職」の竹細工職人・黒田正玄さん)

 
「千家十職」(せんけじっしょく)の一つで、
竹細工・柄杓師を務める家が
代々襲名している「黒田正玄」(くろだしょうげん)
 
「千家十職」(せんけじっしょく)
三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)の
流れを汲む茶の湯の道具を、代々に渡って
制作する十人の「職家」のことです。
  • 奥村吉兵衛 (表具師)
  • 黒田正玄  (竹細工・柄杓師)
  • 土田友湖  (袋師)
  • 永樂善五郎 (土風炉・焼物師)
  • 樂吉左衞門 (茶碗師)
  • 大西清右衛門(釜師)
  • 飛来一閑  (一閑張細工師)
  • 中村宗哲  (塗師)
  • 中川淨益  (金もの師)
  • 駒澤利斎  (指物師)
「千家十職」という呼び名は、大正時代に入り茶道界の復興と茶道具制作の需要が飛躍的に増えた頃、百貨店での展覧会の呼称として
初めて用いられ、今日まで流布したもの
です。
 
 
 
現在は、十四代目・黒田正玄さんが、
自宅兼工房の京町家で三千家のために
柄杓・茶杓・香合・花入などの
竹製の茶道具を代々作り続けています。
 
 
壁一面に「茶杓」(ちゃしゃく)の材料が
切り出された年や種類毎に並べられています。
 
 
家元らが削る「茶杓」の材料を吟味するのも
黒田正玄さんの仕事です。
「景色」(けしき)と呼ばれる色や模様などは
この段階で決まります。
 
 
「茶杓というものは、
 茶人が景色からいろんなものに見立てて
 思いを込めてお作りになられて
 初めて完成します。
 それにお応えできるように準備しています」
 
 
 
「表千家」の八代家元・啐啄斎(そったくさい)が削ったとされる茶杓 銘「暁霜」(ぎょうそう)
朝日に照らされた霜柱が輝くような厳しくも、爽やかな美しさを見立てたと言われています。
 
茶杓研究でも知られる歴史学者の
西山松之助(にしやま まつのすけ)が削った
茶杓 銘「鬼の抜殻」(おにのぬけがら)は、
弟子達から鬼と恐れられた西山が、
竹の穴を抜け殻に見立てた茶杓です。
 

500年以上続く茶筅工房「和北堂
(茶筅師・谷村丹後さん)


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奈良県生駒市高山町は、全国で唯一の
職人技を守り継ぐ「茶筅」(ちゃせん)の産地で、
国内産茶筅の実に9割以上を占めています。
現在のような、外穂・内穂に分けられた茶筅は、室町時代後期、山名弾正家の家臣で
北野連歌会所宗匠でもあった
高山宗砌(たかやま そうぜい)が、
近くに住む称名寺の住職であった村田珠光の
依頼で開発したと言われています。
 
その後、茶道の隆盛とともに
「高山茶筅」の需要も高まり、
幕府の保護産業として優遇されることに
なりました。
中でも「和北堂」谷村家は、
徳川将軍家御用達茶筅師として
「丹後」の名を賜り、
禁裏仙洞御所や公家、諸大名にも納入し、
500年以上の歴史を受け継いできました。
 
「和北堂」谷村家では、現在まで、
流派により材料となる竹や製法が異なるなどの繊細な技術を「一子相伝」で守り伝えられて
います。
 
 
現・20代当主の谷村丹後(たにむら たんご)さんは、
今も裏千家、武者小路千家の家元指名の
茶筅師として、厚い信頼を担う存在です。
 
 
作っているのは紅白の糸で編んだ茶筅です。
茶筅の糸の色は黒が基本。
ですが海外の愛好家を中心に
カラフルな糸を使った茶筅の注文が
増えたといいます。
 
 
発注者は、モデルとして雑誌や広告
などでも活躍する、裏千家の茶道家、
永江宗杏(ながえ そうあん)さんです。
カナダ出身のお母さま、
バーバラ・セントクレアさんへの
母の日のプレゼントです。
紅白の色は、バーバラさんが生まれた
カナダの国旗から発想しました。
「とても繊細で穂先のカーブも素晴らしい」バーバラさんにも喜んでもらえたようです。
 
 
「茶筅」(ちゃせん)とは、茶道において
抹茶を点てるのに使用する茶道具のひとつで、
湯を加えた抹茶を茶碗の中で撹拌するために
用いる竹製の具です。
10㎝程の竹筒の先半分以上を
細かく裂いて糸で編んだもので
流派によって、使用する竹材の種類や形状、
色、編み糸が異なります。
 
裏千家を始め多くの流派では「淡竹」(はちく)
表千家は囲炉裏の煙で燻された「煤竹」、
武者小路千家では「紫竹(黒竹)」が
 
好まれます。
 
穂先の形状も流儀によりそれぞれ異なり、
武者小路千家の茶筅は穂先が真直ぐで、
外穂の先端を内に曲げる形状のものが
好まれています。
 
谷村さんは、遠石流、藪内流、宗徧流、
石州流など、流派毎に異なる決まりを
守りながら、代々茶筅を作り続けてきました。
 
「茶筅づくり」の様子を見せていただき
ました。
昔からあるような一般的な包丁を使って、
基本的には500年以上変わらない製法で
作っています。
 
材料は直径およそ3cmの竹です。
生えてから2.3年生の竹を厳寒の時期にさらし、
貯蔵したものを切断します。
筋を挟むように切り円筒形の「コロ」にします。
 
次は「片木」(へぎ)と呼ばれる工程です。
筋の上部分位から先端の皮を剥いたら、
大割包丁で等分に割った後、
1片ずつ外側にこじ開け、
包丁で皮肌と身を分けて、身を取り除きます。
 
穂先になる部分を湯に浸し、
穂の内側を根元から先になるほど
薄くなるように削り、 内側に向かって
丸くなるようにしごき形を作ります。
「味削り」(あじけずり)という工程ですが、
茶の味は「味削り」によって変わると
言われるほど、最も難しい工程です。
 
薄さ加減を確かめるのは指先の感覚だけ。
「茶筅作り」は、小刀と指先だけで
そのほとんどを行うことから、
「指頭芸術」(しとうげいじゅつ)と呼ばれています。
指先の微細な感覚だけを頼りに
ギリギリのところでバランスをとっていく
谷村さんが生み出す茶筅は、
もはや製品ではなく、「作品」です。
 
穂を一本ずつ「面取り」し、糸で編んでいきます。
根元に糸をかけながら外側の穂を広げます。
そうして、どこまでもキレイな弧を描いた
「茶筅」が完成しました。
 
「お茶と茶腕と茶筅さえあばお茶は事足りる」と裏千家の大宗匠が昔からよく言っていた
この言葉が、プライドを持って作り続けられる
1つの理由だと語る谷村さん。
 
変幻自在に形を変える竹。
数百年受け継がれてきた技です。
 
  • 住所:〒630-0101
    奈良県生駒市高山町5964
  • 電話:0743-78-1755
 
 

美の壺3.「新風」
未来をひらく可能性

 

隈研吾さん設計の竹を使った内装日本茶専門店「寿月堂」(丸山慶太さん)


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安政元(1854)年創業の海苔の老舗
丸山海苔店(まるやまのりてん)
日本茶喫茶・茶葉の店
寿月堂(じゅげつどう) 築地本店」が
令和4(2022)年4月8日に
リニューアルオープンしました。
 
 
寿月堂」は「丸山海苔店」が
日本茶の美しさを世界に伝えるために
始めた店舗です。
店舗のテーマは「野点」(のだて)
竹を短冊状に細く切り、
野立傘(のだてがさ)が広がったような
イメージの空間になっています。
竹を使った店舗デザインを担当したのは、
建築家の隈 研吾(くま けんご)さんです。
 
代表取締役社長の丸山慶太(まるやまけいた)さんはパリ店、銀座店に引き続き3店目の築地店も
建築家の隈研吾さんに依頼しました。
隈さんはおよそ20年以上に渡り、
世界中に「竹」を使った建築を作ってきました。
これまで竹を使ったプロジェクトはおよそ30。
建築素材としての「竹」に
面白さや可能性を感じて取り入れてきました。
 
「竹の持っている柔らかさや透明感は、
 日本人の波長に合うと思う」
と隈さんはおっしゃいます。
 
「お客さんには心が癒された気分になるとか、
 心が洗われた気分になるとかいう
 ご意見をいただいて、
 本当に竹にして良かった」
丸山さんはおっしゃっていました。
 
寿月堂 築地本店
  • 住所:〒104-0045
    東京都中央区築地4丁目7番5号
    築地共栄会ビル1F
  • 電話:03-3547-4747
 
 

竹でつくる巨大アート
(竹工芸家・アーティスト・田辺竹雲斎さん)


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東京・銀座のグッチのフラッグシップショップ
グッチ並木」店内に、竹工芸家の四代目・
田辺竹雲斎(たなべ ちくうんさい)さんによる
高さ10m近い巨大なインスタレーションが
出現しました。
まるで生きているかのように伸びた造形は、
約5000本の細い竹ひごで作られています。
黒竹(くろちく)が「過去」、
白竹(しらたけ)が「未来」を表し、
3本の柱が絡み合いながら、未来へ向かって
上昇している姿を表しているそうです。
 

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田辺竹雲斎さんは、
三代・竹雲斎の次男として生まれ、
幼少から竹に触れ、
自然と竹を志すようになります。
東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業後、
2年間研修した後、父・三代竹雲斎に弟子入り。
平成29(2017)年に四代・田辺竹雲斎を襲名。
伝統的な竹技術を継承する一方、
異分野とのコラボレーション、現代アートとしての新たな一面も見せるという活動は、
国内外の美術館やアートイベント、
ラグジュアリーブランドなどから高い注目を
集め、発表の機会が拡大しています。
 
 
巨大なインスタレーションを作る
アーティストの面と、
伝統的な技法で花籃や茶道具作る
工芸士の面。
現代アーティストとしての竹雲斎と、
伝統を受け継ぐ竹雲斎の
2つのハイブリットだと本人は語ります。
 
そんな竹雲斎さんに、
伝統的な技法で「花籠」を作る過程を
見せていただきました。
 
まずは竹ひご作りから。
竹を割り少しずつ細くします。
「竹割り3年」と言われるほど
大切な基礎技術です。
 
 
歴代竹雲斎の「竹雲斎七技ちくうんさいしちぎ」と言われる
伝統の技を駆使して竹ひごを編んで行きます。船の形で波を掻き分けて進んでいくような
イメージで、1段1段斜めに上がっていく
編み方をしていきます。
縁は「飾り玉縁」(かざりたまぶち)という技法で
等間隔に玉が3つずつ揃うように編んでいきます。
 
 
令和5(2023)年5月、大阪市難波にある
大阪髙島屋美術画廊で竹雲斎さんの個展が
開かれました。
インスタレーションのタイトルは「天と地」。自然の力が巨大なエネルギーとなり、
「天と地」を循環しています。
 
お弟子さん達も一緒に制作に取り組みます。
工房で作ったパーツに、
現場で竹ひごを加えて大きくし、
会場全体が1つの作品になっていきます。
使うのは、表面に虎のような模様が入った
「虎斑竹」(とらふだけ)です。
 
「いくらでも増殖が出来たり、
 柔らかく無限大に広がる竹の特性。
 若い方も含めて空間を体感して
 竹の面白さが広がっていくんじゃないかな
 と思っている」
 

chikuunsai.com

 
古から連綿と続いてきた竹の文化。
時代が移り変わっても、
竹は私達に寄り添い続けます。
 
  • 住所:〒590-0017
    大阪府堺市堺区北田出井町
    3丁2-28
  • 電話:072-229-0216
 

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