<番組紹介>
ガラスに漆を施した幻想的なカップや、
使うほどに艶が増す漆塗りの革財布など。
異素材との融合を図って新境地を切り開く木曽漆器の魅力を、
女優の南沢奈央がリサーチ!
表面に赤い漆を塗ったカップが今、大人気。
実は木ではなくガラスに漆を施したもので、
中は色とりどりの線で彩られ「まるで万華鏡のよう」と
評判だ。
これは椀や盆などの生活雑器で有名な長野の木曽漆器。
近年では異素材との融合を図り、
新たな境地を切り開いている。
使うほどに艶が増していく漆塗りの革財布や、
最先端のハイテク技術を駆使して生まれた酒器など。
伝統とアイデアを融合させたものづくりに、
女優の南沢奈央が迫る。。
<初回放送日:平成31(2019)年3月19日>
長野県の木曽平沢は
長野県の伝統的な工芸品「木曽漆器」の産地で、
工房の数は90以上あります。
その「木曽漆器」は、今、思わぬ進化を遂げています。
1.百色-hyakushiki-「蕾盃」(丸嘉小坂漆器店)
ガラスに赤一色の漆で塗られた器。
中には色とりどりの線があり、まるで万華鏡のようです。
これは、「丸嘉小坂漆器店 」の
「百色-hyakushiki-」というブランドの「蕾盃 」です。
「百色-hyakushiki-」というブランド名は、
万華鏡の別名「百色眼鏡」から名付けられました。
ガラスに漆を塗るきっかけとなったのは、
木工職人の小坂玲央さんが、
先代の作ったガラス天板をはめた卓袱台に漆を塗ったのが
始まりです。
ガラスに漆を塗っても剥がれてしまいますが、
そうならないように長野県工業技術試験場とともに研究を進め、
平成6(1994)年に漆とガラスのマッチングに成功。
「すいとうよ」の販売を始めました。
更に共同研究を重ねて、ドリンク用途だけでなく、
より幅広い用途で使用出来る耐久性を達成して生まれたのが
「百色-hyakushiki-」です。
「百色-hyakushiki-」はこれまでの漆器とは違い、
金属製のカトラリーを使用することが出来ます。
また油物も気軽に盛りつけることが出来ます。
中性洗剤を使用したスポンジ洗いも問題ありません。
2.漆塗りの革財布「漆-URUSHI-」(未空うるし工芸)
長野県塩尻氏木曽川に工房を構える「未空 うるし工芸」は
漆塗り製品を製造している工房です。
「木曽漆器」の伝統技術を受け継ぐとともに、
新たな漆の可能性を探求して、
「jaCHRO」(ジャックロ)というブランドを立ち上げ、
様々な素材との融合により、新しい漆塗り製品を生み出しています。
世界から「japan」と表現されてきた「漆・漆器」と、
「色彩論」を意味する「chromatics」を合わせ、
漆の持つ様々な彩りと可能性を新しい形で世に発信する
ことで、「漆塗り製品を知らなかった世代にも興味を
持って欲しい」という強い思いから誕生したブランド
です。
紳士用高級革製品ブランド「キプリス(CYPRIS)」と
コラボして出来上がった「漆-URUSHI-」(「jaCHRO leather」)は、
革と漆とのコラボレーションで生まれた財布です。
未空うるし工芸が独自に考案した技法を用いて、
幾重にも塗り重ねられた漆の深みのある独特の色合いと
さりげなく散りばめられた細かなラメにより、
光の当たり方でその表情を変えます。
また、革素材の経年変化と漆の経年変化を同時に楽しむことも出来ます。
飲み物の温かさを程良く伝えることの出来る厚さの
漆塗り「CUP SLEEVE」(コーヒースリーブ)もあります。
- 住所:〒399-6302
長野県塩尻市木曽平沢1905-7 - 電話:0264-34-2644
3.「TOSO」(山加荻村漆器店)
創業明治45(1912)年の「山加荻村漆器店」は、
中山道の「贄川宿」(にえかわじゅく)と「奈良井宿」(ならいじゅく)の間には、
木曽平沢の「漆の郷」(うるしのさと)と呼ばれるエリアにあります。
コラボレーションから生まれたオリジナル商品です。
他に、お盆「BON TEMAE」「SUZU bon」があります。
艶消ししたマットな風合いの黒い屠蘇器の「TOSO」は、
3Dプリンターで作られました。
そして食器洗浄機で洗えるように、
「漆」を敢えて使わず、ウレタン加工が施されています。