職人が一から作る伝統の箒(ほうき)は、
材料のホウキモロコシの細い穂先と細かな縮れが
ゴミを逃さずキャッチ。
穂先が床に垂直に付くよう設計されていて、
10年使える逸品。
禅寺に学ぶ拭き掃除の極意、
さまざまな色の糸を使った自作雑巾の楽しみも必見!
さらに、知恵と工夫の収納法も紹介。
カリスマ主婦のユニークな収納アイデアから
反故(ほご)紙や使い古しの布を上手に利用した、
武家の美しいしまい方まで!
(初回放送日: 平成29(2017)年12月15日放送)
美の壺1.ほうきは機能満載のエコツール
荒物問屋「松野屋」(松野弘さん)
「松野屋」さんは昭和20(1945)年創業の
東京の下町・馬喰町で70年続く卸問屋です。
現在は、箒、ちりとり、ザルなどの荒物を扱う雑貨店
「暮らしの道具 松野屋」を営業されています。
こちらの最近の売れ筋は「箒」です。
- 住 所:〒116-0013
東京都荒川区西日暮里3-14-14 - 電 話:03-3823-7441
- 営業時間:11時〜19時
(土・日・祝日は10時〜19時) - 定休日 :火曜(祝日は営業)
中津箒 (「まちづくり山上」6代目・柳川直子)
室内用の座敷箒が現代のような形になったのは江戸時代です。
箒製造業の柳川直子さんが手箒の使い方を教えて下さいました。
「畳の目にそって、あまり力を入れ過ぎず、
ちょっと浮かせた感じでさっさと気持ちよく」。
箒の素材である「ホウキモロコシ」という植物の油が
畳に染み込みツヤを与えて、長持ちさせてくれます。
中津箒箒職人・山田次郎さん
日本有数の箒職人の山田次郎さんが手箒の作り方を紹介してくれました。
玉というパーツを3つ、耳というパーツを作ってそれを1つにまとめる。
その後、箒が床に垂直に当たるように耳の部分を曲げます。
穂先の広がりを糸で綴じることで、更に角度をつけます。
「10本作っても気に入ったのは1本くらい」と
おっしゃっていました。
<参考>
まちづくり山上
- 住所:〒250-0861
神奈川県小田原市桑原867-6 - 電話0465-38-0538
美の壺2.人の心を写す雑巾
雑巾がけのコツ(曹洞宗 栄見山 観音院・29代目住職・来馬正行さん)
東京、JR中央線武蔵境駅からほど近い場所にある
曹洞宗・観音院は江戸初期の承応二(1653)年に創建された
幕府公認の曹洞宗大本山永平寺の末葉です。
朝、作務太鼓を打ち鳴らすと、お寺の掃除が始まります。
座禅の会に集まった人達が
雑巾で本堂の隅々まで拭き清め始めました。
禅寺にとって掃除は修行の一環とされ、
日々、心して丁寧に行い、工夫を重ねることで、
よい習慣がもたらす心のゆとり
「功徳」(くどく)が身につくとされています。
道元禅師の言葉に「威儀即仏法」(いぎそくぶっぽう)があります。
日常生活の立ち居振る舞いが人間の人格を作る基礎になる、
という教えです。
- 住所:〒180-0023
東京都武蔵野市境南町2丁目4−8 - 電話:0422-31-8482
手縫い雑巾(松野屋・松野きぬ子さん)
荒物を扱う雑貨店「暮らしの道具 松野屋」の奥様
きぬ子さんは拭き掃除が大好きで、
雑巾でピカピカに磨き上げるのが日課です。
雑巾はお手製。
きぬ子さんは手芸分野で作家活動をするほどの腕前なのですが、
雑巾の縫い目は粗くてボコボコ。
きぬ子さんいわく、この方が、拭きやすく汚れも取れるのだとか。
「松野屋」さんでは、
きぬ子さんによる「雑巾ワークショップ」が開かれています。
参加者は、使い古しのタオルや手拭いを持参し、
きぬ子さんの雑巾づくりのお話を聞きながら、
各自、雑巾をチクチク縫い進める時間です。
きぬ子さんも、
始めは古タオルをそのまま拭き掃除に使っていましたが、
お義母様から習った雑巾の勝手がとても良く、
自分で使うのは勿論、その良さを広めています。
- 住 所:〒116-0013
東京都荒川区西日暮里3-14-14 - 電 話:03-3823-7441
- 営業時間:11時〜19時
(土・日・祝日は10時〜19時) - 定休日 :火曜(祝日は営業)
美の壺3.収納という”愛”
整理収納アドバイザー・おさよさん
最近ネットには様々な収納のアイデアが溢れています。
中でも人気なのが、
フォロワー26万人以上を誇るおさよさんの収納術です。
インスタグラムで、
掃除や収納など日々の家事アイデアを披露しているおさよさん。
テレビのレギュラー番組ではアイデア満載の収納術を発揮し、
家事に関する本を出せばあっという間に話題に。
2児の母として子育てをしながらのその生活ぶりは、
今や同世代の女性の憧れの的です。
物を大切にすることは触れてあげること、使ってあげること。
使うための収納。
おさよさん
福岡県在住。二児の母。エフコープ組合員歴9年。
片づけ遊び指導士認定講師。
数年前に投稿を始めた整理や収納、掃除などの独自の方法を紹介したインスタグラムが話題になり、テレビや雑誌などでも活躍しています。
- 著書 -
・Instagram:osayosan34
旧家の収納(島根県大田市大森町・河島家住宅/熊谷家住宅)
日本人の収納へのこだわりは今に始まったことではありません。
世界遺産「石見銀山」の中心地、島根県大田市大森地区には、
江戸後期に建てられた銀山の役人の住まいが残っています。
そして、国内でも珍しい収納の展示がされています。
代々銀山附役人を世襲してきた河島家の住宅は、
美術品、食器、調理器具その他の品々が飾られていて、
武家の一家の暮らしぶりを伝えています。
江戸時代に大森で栄えた
武家の一つに数えられる河島家は、
慶長15(1610)年に
銀山奉行・大久保長安によって
石見銀山の地役人として取り立てられ、
慶応3(1867)年の幕末まで、
代々銀山附役人を世襲しました。
武家屋敷の室内はスッキリと簡素。
玄関を入るとすぐ階段があって、2階には収納庫があります。
使い古した布や紙で包まれ、
割れたり傷がつかなように、かさばらないようにと、
いろいろな工夫が詰まっています。
食器を包む布は一枚ずつはボロボロですが、
裏表があってキレイに縫われていて、
昔の人の思いが溢れていました。
一方、熊谷家住宅には壁面収納と吊り収納があり、
こちらも分かりやすく機能的な収納になっていました。
熊谷家は、代々家業である
大森の鉱山経営、金融業、酒造業の他、
大森代官所の掛屋・郷宿・御用達なども行う
石見銀山で最も有力な商家の一つとして
栄えました。
5年かけて幕末から明治初年の姿に復元され、
平成18(2006)年4 月から一般公開されています。
昔の暮らし体験や四季を楽しむ催しが行われ、
毎月第2日曜日の「かまどの日」には、
熊谷家の台所のかまどに火が入れられ、
ゆでたまごなどをいただくことが出来ます
(有料)。
- 住所:〒694-0305
島根県大田市大森町ハ118−1 - 電話:0854-89-0932
- 住所:〒694-0305
島根県大田市大森町ハ63 - 電話:0854-89-9003