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イッピン「未来への挑戦!和紙を今の暮らしの中に 埼玉県・小川和紙」

<番組紹介>
1300年の伝統を持つ、埼玉の小川和紙。
和紙のバッグ、和紙の照明、そして和紙のインテリア。
今の暮らしの中で、
和紙をもっと生かす試みに乗り出した人々を描く。
1300年の歴史を持つ埼玉の小川和紙。
しかし、暮らしが洋風化する中、
和紙の需要は減り続けている。
今の暮らしに和紙をもっと生かすことはできないか。
試みの一つは、和紙のバッグ。
強度を高める工夫に迫る。
続いて、和紙を照明に使う試み。
最適の和紙は、まっさらな無地の和紙!
そのわけは?
最後は、レースのような模様に和紙をすき、
インテリアとして使ってもらおうという試み。
小川和紙の未来をかけて取り組む人々を描く。
 
<初回放送日:令和2(2020)年9月22日 >
 
 
小川町と東秩父村一帯で漉かれる和紙は
「小川和紙」と呼ばれ、
約1300年の歴史があります。
 

omotedana.hatenablog.com

 

1.和紙のバッグ
 (ワイス・ワイス/久保昌太郎和紙工房)

 
様々な伝統工芸をコラボさせて雑貨を作るプロジェクトを
行っています。
 
「細川紙」(ほそかわし)と、
金箔や銀箔などを用いた
日本独自の襖紙装飾の技法「金銀砂子」(きんぎんすなご)
この2つの伝統工芸を掛け合わせた「細川紙のバッグ」を作るのは
埼玉県小川町にある
大正2(1913)年創業の「久保昌太郎和紙工房」です。
 

 
久保昌太郎和紙工房」の五代目・久保孝正さんは、
書道用の半紙、障子だけでは立ち行かなくなると、
和紙のバッグ作りに着手。
強靭で、光沢を持ち、紙面の毛羽立ちにくい
「細川紙」を何重にも重ね、
群馬県の「こんにゃく粉」を含ませることで
2Lのペットボトルを入れても問題のない、
バッグとして使用出来る強度を実現させました。
防水効果もあります。

更に、バッグの外側には、
同じ小川町にある宮川紙工
金箔や銀箔などを用いた日本独自の襖紙装飾の技法
「金銀砂子」で装飾した、上品なバッグを作り上げました。
 

 

紙すきの村~
久保昌太郎和紙工房~

  • 住所:〒355-0321
       埼玉県比企郡小川町小川1091
  • 電話:0493-72-0436
 
 
東京・六本木の「東京ミッドタウン」にある
WISE・WISE tools」は、
素材感を活かした器などの「食の道具」、
空間に彩りを添える 「生活の道具」、
お洒落を楽しむ「身につける道具」など、
日々の生活を豊かにしてくれる「暮らしの道具」を扱う
雑貨店です。
 
ワイス・ワイス トゥールス
  • 住所:〒107-0052
       東京都港区赤坂9丁目7-4
       東京ミッドタウン ガーデンサイド  
       ガレリア D-0313 
  • 電話:03-5647-83552
 
 
 

2.和紙の照明「and-on」
 ワイ・エス・エム手漉き和紙たにの

 
埼玉県八潮市の照明メーカー「ワイ・エス・エム」は、
デザイン照明の自社ブランドを立ち上げ、
海外の展示会で賞を取るなど注目を集めています。
 
しかし、10年前に前社長が急逝したことで、
事業断念の危機に追い込まれたこともありました。
復活を担ったのは、29歳で後を継いだ2代目でした。
 
 
ワイ・エス・エム」は、従業員数6人の小さな町工場です。
2代目社長の八島哲也さんが率いています。
ワイ・エス・エム」の前身は、
八島さんのお祖父様が戦後に創業した「ヤシマ照明製作所」です。
その後、八潮市に移転し、
平成4(1992)年からは、
前社長の叔父さんが現在の「ワイ・エス・エム」を立ち上げ
大手の照明メーカーの下請けをしていました。
 

 
八島さんは、工業系学校の文化祭を見学したのをきっかけに、
工業科がある私立中学、工業高校、工業系の大学へと進み、
卒業後は住宅販売会社を経て、「ワイ・エス・エム」に入社しました。
そして、板金工として材料の切断や溶接といった、
ものづくりに励んでいました。
ところが先代が急逝により、平成22(2010)年に社長就任。
現場でのものづくりしかしてこなかった八島さんに、
経営の重みがのしかかりました。
 
行政のマッチングイベントで
プロダクトデザイナーに出会ったことから、
外部のデザイナーとのものづくりが始まりました。
 


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平成25(2013)年、
デザイナーと協力して初めて生み出したプロダクトが、
柔らかい光で空間を優しく照らす間接照明「HOOP」です。
 

 
デザイナーのakiiさんと作り出した
NIGHT BOOK」という、本好きのための本型のLED照明は、
世界三大デザイン賞の一つとされる
ドイツの「iF DESIGN AWARD 2019」を始め、
Chinaの「Design Intelligence Award 2018」、
香港の「DFA AWARDS 2018」などを受賞。
世界のインテリア市場で認められました。
 

 
その後も、「ワイ・エス・エム」の
図面になっていない状態からでも
照明を作ることが出来るという強みを生かして、
新製品の開発は続いています。
 


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照明メーカー八潮

ワイ・エス・エム

  • 住所:〒340-0811
       埼玉県八潮市二丁目342-1
  • 電話:048-998-3610
 
 
手漉き和紙たにの」の谷野裕子さん

 
令和2(2020)年には、
埼玉県の伝統工芸品「小川和紙」を使った照明「and-on」を
埼玉県からの補助金を受けて開発しました。
原料に楮(こうぞ)だけを使った手漉きの小川和紙を、
真鍮製枠の両面に貼り付けた和風の照明からの光は、
障子を通して降り注ぐようなとても柔らかく、
空間を優しく包み込んでくれます。
 


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「小川和紙」を漉いたのは、
繊細な和紙を漉くことで定評のある和紙職人、
手漉き和紙たにの」の谷野裕子さんです。
 

 
和紙に余分なものが含まれていると
光を透かした時に分かってしまうため、
楮の汚れを取り除き、まっさらな無地!
かつ均一の厚さに仕上げられています。
 

 
この優しい和の光が、令和2(2020)年1月の展示会で好評を博し、
令和3(2021)年の「iF DESIGN AWARD」を受賞しました。
 
  • 住所:〒355-0361
       埼玉県比企郡ときがわ町桃木42
  • 電話:0493-59-8441
 
 
 

3.和紙のインテリア(和紙作家・森田千晶さん)


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和紙作家として活躍する森田千晶さんは、
小川町の隣町に坂戸市に出身です。
 
美大で彫金を学んだ後、
アクセサリーデザインの会社に就職しましたが、
体験講座に参加したことがきっかけで、
和紙作家として活動を始めました。
 
  • 住所:〒355-0321
       埼玉県比企郡小川町小川226
  • 電話:0493-72-7262
 
 
森田さんは、平成20(2008)年にオランダに留学した際、
古典柄の透かし模様の図案を見つけたことをきっかけに、
平成22(2010)年、透かし模様を描いて型紙を作り、
それを使って和紙を漉く、「透かし和紙」を完成させました。
 
レースのような和紙を障子に使えば、
モダンな雰囲気が漂います。
森田さんの「透かし和紙」は、
コースターやランプシェード、カーテン、アクセサリーなど、
身近で使える様々な用途に用いられ、
和紙の新たな世界を切り拓いています。

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