<番組紹介>
福島県会津地方で作られている「会津木綿」。
多彩なバリエーションのしま柄、
厚手の木綿の温かさが人気で、
織元の生産が追いつかないという。
今回のリサーチャーは、女優の白石美帆さん。
老舗の織元では、年代物の古い織機を使って
美しいたてじまと温かさを織り出す秘密を知る。
また、会津木綿を使った
ストールやバッグを作る工房を訪ね、
木綿への思いに触れる。
あたたかさと質実さを備えた会津木綿。
その確かなワザに迫る。
<初回放送日:平成28(2016)年11月8日>
1.HARAPPA(はらっぱ)(原山織物工場)
「原山織物工場」は明治32年創業以来、
会津若松市日吉町の地で
「会津もめん」の伝統を、営々と守り続けてきました。
ところが、前社長の原山公助さんが平成27(2015)年11月に急逝。
www.youtube.com 原山公助さん出演の動画
e-j-p.org 原山公助さんのインタビュー記事掲載
一時は廃業を決断されましたが、
会津木綿の素材に惚れ込んで工場と取引のあった
「ヤンマ産業」のデザイナー・山崎ナナさんが
再建したいと申し出て、
前代表の従兄に当たる小野太成さんに声が掛かり、
平成27(2015)年に新法人「HAPRAPPA(はらっぱ)」が
設立されました。
前社長の原山さんは「染め場」を担当されていました。
織物は復活しましたが、染め場は封鎖されたままです…。
「染めから織りまで」出来る工場の完全復活のためにも、
「染め場の復活」を目指していらっしゃいます!
そして令和元(2019)年、
染め場の修復工事も終わり、 若い染色職人も育ち、
再び「染めから織りまで」出来る、
唯一の会津木綿工場になりました。
- 住所:〒965-0852
福島県会津若松市日吉町4-25 - 電話:0242-36-7903
2.山田木綿織元
「山田木綿織元」さんでは、
現在も昭和初期の旧式の豊田式織機を使って
美しい経縞(たてじま)の「会津木綿」を織り出しています。
会津木綿の柄といえば縦模様。
定番柄だけでも50~60種類、
見本帳には200種類以上の柄があるのだそうです。
創業者は、手織り機(手機)を作る大工だったそうです。
山田木綿織元を操業した時代は、
ちょうど、力織機(機械織機)が出回り始め、
繊維産業がまさに先端産業であった頃でした。
多くの人々が新たに力織機を手に入れ、
会津木綿の生産を始めた時代で、
大正時代の最盛期には、
大小30もの工場が会津木綿を作っていました。
しかしそれを頂点として徐々に工場は減し、
昭和50年代には9軒程度にまでなり、現在は2軒。
「山田木綿織元」さんは今も
丁寧に、丈夫に会津木綿を織られてらっしゃいます。
織物が出来るまでの行程を
分かりやすく見学することも出来ますので
見学されてはいかがでしょうか?
- 住所:〒965-0044
福島県会津若松市七日町11-5 - 電話:0242-22-1632
3.IIE Lab.(イーラボ)
会津木綿を使ったストールやバッグを作る工房です。
伝統ある「会津木綿」に
イーラボならではのアイデアも、ちょっと入れて、
「古い、けど新しい」オドロキ、日々のくらしが愉しくなる、
そんなアイテムを提案している研究所です。
ブランド名の「IIE(イー)」は、「311」を逆さから見ると「IEE]。
あの日から始まった悲しみ、苦しみを全部ひっくり返すぞという意味。
こちらの店舗は、廃校の幼稚園に少し手を加えた、
趣のある建物になっています。
【11月16日は #幼稚園記念日】
— ふくしま手帳 (@fukushimatecho) November 16, 2020
福島県会津坂下町にある
IIE Lab. (イーラボ)は、
旧広瀬幼稚園の建物を
利用して会津木綿を織る
素敵なファクトリーショップ。
作業場の入り口には今も
「ゆうぎしつ」の文字が
残っています。 pic.twitter.com/aExvAEoqaV
更に、時代の流れから廃業になってしまった会津木綿の織元を
新しいカタチで復刻。
令和2(2020)年1月29日より
「会津木綿 青㐂製織所」というブランドをスタートさせました。
30年あまり眠りについていた大正時代の織り機を復活させ、
昔ながらの製法を当時織っていた方に伺い、
廃業した織元の布の特徴であった
「丈夫さ」や「会津らしい色彩感覚」を活かしながら、
今のくらしに溶け込むデザインを加え、織り上げています。
- 住所:〒969-6511
福島県河沼郡会津坂下町
大字青木字宮田205 - 電話:0242-23-7808