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イッピン「美しく革を染める〜京都×姫路 職人たちの出会い〜」

<番組紹介>
京都の染めと兵庫県姫路の革加工が出会って生まれた、
美しい模様の革製品。
間を取り持った企業家の取り組みと、
伝統技法をアレンジした職人たちの試行錯誤の軌跡を追う。
 
伝統的な手染めの技術を駆使した革製品が、
いま、国内外のブランドから注目を集めている。
京都の染めと兵庫県姫路の革を結びつけ、
企画開発を進めた企業家は、
ふたつの産地を行き来しながら困難を克服した。
革職人は水と熱に弱い革を染めやすくする加工を開発、
染め職人は染め方に工夫を凝らし、
美しい模様を革に施すことに成功。
京都と姫路の職人たちが出会い、試行錯誤の結果生み出された、
染めと皮革の最高度の技を見つめる。
 
 

1.京都レザーとは

 

 
「京都レザー」は、
国内有数のレザーの産地である姫路の革職人が
一枚一枚丹念に作り上げた天然皮革に
京都の伝統的で高度な染色技法を施した、
これまでにない全く新しいメイド・イン・ジャパンのレザーです。
 
経済産業省の「ふるさと名物応援事業補助金」に採択されて
平成27(2015)年にスタートした
「京都レザー プロジェクト」の一環で、
「京都発のレザーブランドを作る」ことを目標に誕生しました。
 
現在採用されている京都の伝統技法は以下の4つです。
  1. 「京友禅の手捺染」
  2. 日本古来の伝統技法「墨流し」、
  3. 金銀などの箔を何層も重ねる「西陣帯箔」
  4. 植物由来の染料で染める「天然草木染」
 
これらをレザーの柄や模様に取り入れていることで、
独自の豪華なデザインが生み出されました。
 
 

2.KYOTO Leather(京都レザー)

 
「京都レザー」を立ち上げたのは、
京都の伝統工芸品の海外向け販売ウェブサイトなどを運営する
(株)でんでんの田尻敏寛社長。
 
取り組みを始めたのは8年前。
田尻さんは、優れた染色の技術を
多くの人が親しめるものにしたいと考えてきました。
そして出した答えが革製品。
 
「京都レザー」のオートクチュールレザーは、
世界的なファッション見本市「プルミエールビジョン・パリ」など
海外の展示会にも積極的に出展し評価を受けており、
世界が注目するレザーブランドになっています。
 
京都の二条城近くにショールームを構えています。
 
 

3.墨流し(薗部染工)

 
薗部染工は、昭和50(1970)年設立。
初代・薗部正典さんは、
若い頃、修行をしていた工房で身に付けた
「マドレー染(糊流し染め)」の技法をベースに、
独自に技術革新を行い、「墨流し」の技術を確立。
着物分野にて京友禅「墨流し染」を広げました。
 
二代目・藤本武史さんは、京都の老舗悉皆業の家に生まれ、
悉皆業に携わりながら薗部染工の元で、墨流しを研究。
墨流し技法を元に悉皆業で学んだ多くの染色を取り入れ、
独創的な世界を作り出し、
令和2(2020)年、薗部染工を引継ぎました。
 
藤本さん、
平成28(2016)年には、「SKIIのクリスマス限定コフレ」の
CMで墨流しを実演するなど活躍を広げています。
 


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現場を指揮するのは、
平成17(2005)年入社の岡村真美さんです。
 


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  • 住所:〒616-8255
       京都市右京区鳴滝音戸山町10-24
 
 

4.姫路のタンナー(前實・前田大伸、大志さん兄弟)

 
前實の創業は平成51(1976)年。
「オンリーワンの物づくり」をコンセプトに、
現代表の前田大伸(まえだだいしん)さんは、
弟の大志(たいし)さんと協力して、
独自の技術を追求し、
細部まで手を抜かない「こだわりの革づくり」を目指して
革づくりを行っています。
 
国内の様々なメーカーと取引がある同社。
姫路の「姫革」と京都の「京友禅」の技術を
融合させて出来たのが「姫革友禅」。
従来の技法では出来なかった
革への美しい彩色を前實の技術で可能にしました。
 
また、デザイナーからの依頼で、
日本の金唐革のルーツである、
ルネサンス期のイタリアで誕生した「クオイドーロ」の再現にも
成功しています。
 
前實
  • 住所:〒671-0256
       兵庫県姫路市花田町高木325-2
  • 電話:079-289-1564
 
 

5.福本染工(福本久人さん)

 
田尻さんは次に、
落ち着くナチュラルな色、天然の色をやりたいと思い、
「草木染め」に取り組み始めました。
 
そして出来上がったのが、
天然の藍で染めた「藍染めの革ジャケット」です。
京都で、「天然草木染め」の世界では一目置かれる、
福本染工の福本久人さんにお願いしました。
 
 
この「藍染めの革ジャケット」、
よく見ると、色の濃さにムラがあります。
化学染料に比べて、天然はムラが出来やすいのです。
田尻さんは、天然の味と考え、
敢えてこのムラを前面に打ち出そうと考えました。
 
藍を染める場合、水の温度を上げなければなりませんが、
革を守るためには、70度以上に上げることは出来ません。
これを超えると、革が縮んで、死んでしまいます。
また、革は染まりにくいので長く浸けておかなくてはなりませんが、
15分を超えてしまうと、やはり革がダメになってしまいます。
更に、藍染めは染める回数を増やせば増やすほど、
色に深みが出て、ムラなく染め上がりますが、
傷みやすい革の場合、何度も染める訳にはいきません。3回が限度です。
この3回で、どれだけ鮮やかに染めることが出来るのか?
例えムラが出ても、味わい深いものにするのが職人の仕事と、
福本さんはおっしゃいます。
3年前田尻さんと出会い、以来、革と格闘してきましたが、
少しずつ手応えを感じてきているそうです。
 
福本染工
  • 住所 〒616-8037
      京都市右京区花園猪ノ毛町5-3
  • 電話:075-461-6224
 
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