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イッピン「しなやかに 涼やかに~鹿児島 薩摩錫器~」

<番組紹介>
重量感と銀色の美しいフォルムを持ち
”冷たい飲み物が美味しく飲める”と人気の金属製タンブラー。
鹿児島県で作られた薩摩錫(すず)器のイッピンだ。
錫の鉱山がある鹿児島では、
古くから様々な飲食器が作られてきた。
中でも、柔らかい錫を手作業で削って
高い気密性を生み出した「茶壺」は、
茶葉の味と香りを百年保つという伝説も…。
“西郷どん”の故郷で、驚きの職人技を佐藤藍子さんがリサーチする。
 

 

 

岩切美巧堂

 
岩切美巧堂は、大正5(1916)年に岩切登一郎氏が
錫パイプ(「錫蛇管」)を手掛けたことに始まります。
その後、 パイプより錫器の方が将来性があると考えた登一郎氏は、
息子の登六氏を鹿児島の錫器製造老舗業者に弟子入りさせて、
錫器の世界への門戸を開きました。
登六氏は錫器を日本を代表する工芸品に高め、
昭和8(1933)年の「シカゴ万博」では、
日本の多くの工芸品の中から唯一、賞に輝くことになりました。
 

 
こうして始まった岩切美巧堂の錫器は、
その無害性と独得の暖か味によって永年愛用され、
薩摩錫器のは国分の地で
登六氏から子へ、そして孫へと受け継がれています。
 
そして従来の「白地(磨き)」肌から、
温かみのある「梨地」の肌合いを完成させ、
更にはデザインに優れた「吹雪」技法など、
現代的錫器の開発も手掛けています。
 

 

  薩摩錫器工芸館
 岩切美巧堂

  • 住所:〒899-4332
       鹿児島県霧島市国分中央4丁目18−2   
  • 電話:0995-45-0177
 
 

岩崎錫管

 
「錫蛇管」(すずじゃかん)
昔は多くの蔵で使われていましたが錫は柔らかな素材のため、
取り扱いが難しことから
今ではほとんどの蔵がステンレス製に変わっています。
現在、「錫蛇管」を作っているのは
日本で唯一、「岩崎錫管」さんだけです。
錫には不純物を吸着させる性質があり、
錫蛇管で作った焼酎は、
雑味の少ない、まろやかな風味に仕上がると言われています。
 
 
 

錫彦 浅田錫器


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柔らかい錫を手作業で削って
高い気密性を生み出した「茶壺」を作っていらっしゃるのが、
浅田錫器の浅田慎太郎さんと健一さんです。
 
 
茶筒を水の中に入れて一時間経っても、
茶筒の中の茶葉は乾燥したままでした。
 

 錫彦 浅田錫器

  • 住所:〒892-0845
       鹿児島県鹿児島市樋之口町6−19   
  • 電話:099-222-2752
 

- 参考 -

[錫器のお手入れ]
使用後は柔らかいスポンジを使い
水洗いまた中性洗剤で洗い
乾いた布で拭き上げて水気を取って下さい。
 
錫器は時々、
柔らかい布で 手垢や汚れを拭き取って下さい。
光沢が鈍くなった時は、
布を水に浸し重曹を付けてよく磨いた後、
水で洗い乾かし、更に木綿布で強く拭くと、
美しい光沢を取り戻すことが出来ます。
 
尚、イブシ仕上げは
砥の粉を水に溶かして布に付けて、
徐々に摩擦すると綺麗になります。

 
[取り扱いの注意]
洗浄時に金属たわしなどの使用は
錫を傷つけるので止めて下さい。
柔らかい金属なので
落としたりすると変形しやすので、ご注意下さい。
 
熱伝導率が高く、
熱い(熱湯)飲み物を入れると持てなくなります。
 
冷蔵庫・電子レンジでの使用は止めて下さい。
酸性の物を入れて長時間放置しないで下さい。
茶壺・茶筒に限り、水洗いはしないで下さい。
茶壺・茶筒の蓋は感覚で削り出しており、
 
水洗いをすると、蓋が開きにくくなり、
閉まりにくくなることがあります。
 
伝統工芸品「薩摩錫器」

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