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イッピン「エレガントに!快適に! 埼玉・春日部の麦わら帽子」

<番組紹介>
暑い夏に欠かせない、麦わら帽子。
中でも、つばが広めでエレガントな
“女優帽”タイプが人気を集めている。
番組では、女優の宮﨑香蓮さんが
産地・埼玉県春日部市を訪問。
軽やかで涼しげな帽子作りの秘密を探り、
麦わらとは思えない
カラフルな色使いのバッグ制作を見学する。
麦わら職人の技術を生かして生み出された、
驚きの製品とは?
 
<初回放送日:平成29(2017)年7月11日>
 
 
春日部の麦わら帽子の歴史
「大落古利根川」(おおおとしふるとねがわ)
市の中央を流れる、土地が肥沃な春日部市は、
昔から、米や麦の生産地として栄えてきた
地域です。
昔、多くの農家では、
「麦わら真田」作りを副業としていました。
「麦わら真田」
大麦の節と節の間が一番長い穂の
すぐ下の部分で節を真田紐状に
編んだもの
 
明治10(1877)年頃、「麦わら真田」を利用して
手縫いで帽子を作りようになったのが
春日部の「麦わら帽子」の始まりと言われて
います。
明治25(1892)年頃になると、
ドイツより手回しのミシンを輸入すると
生産能力が向上し、岡山県と並ぶ
「麦わら帽子」の生産地として
全盛を極めていきました。
 
近年は、「麦わら帽子」は海外から
安い単価で大量に輸入されていますが、
春日部では、
より高度な帽子作りの技術を活用した
ファッション性の高い高級帽子作りを行う他、
麦わらを使ったバッグや小物入れなど
様々な製品を作っています。
 
 

1.田中帽子店


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明治13(1880)年創業の「田中帽子店」は、
春日部で麦わら帽子を量産することが出来る
唯一の工房です。
 
 
創業当時は、麦わら帽子の材料の
「麦わら真田」を作って海外に輸出して
いました。
明治30(1897)年頃、ドイツから
帽子用のミシンが輸入して、
ミシンを使った本格的な生産を開始しました。
現在は六代目の田中優さんが継承し、
職人気質な四代目の祖父と共に
昔と変わらない丁寧な手仕事で
帽子を作り続けています。
 
 
「麦わら帽子」は、
シート状の材料を
プレスして成型する方法と違い、
材料をミシンに取り付け、
帽子の形に縫製した後、
プレスして成型するため、
大変手間の掛かる仕事です。
 
職人は、1本の「麦わら真田」を
クルクルと円状に重ねながら
帽子の形に縫製していきます(帽体縫い)。
 
縫い上げた帽体は、空気が乾燥した冬の時期に
天日に晒して天干し、湿気を取り除きます
(寒干し)。
屋外一面に並び日差しを浴びる様子は、
春日部の冬の風物詩になっているそうです。
 
内側部分に、汗止めやテープ式のサイズ調節
などを付けていきます(内縫い)。
1~1.5cmの頭周りの調節が可能になります。
長時間肌に触れる部分だからこそ、
最大限の注意を払い作業をしています。
 
最後に、頭周りのリボンなどの装飾を
ひとつひとつ手作業で行います(飾りはリ)。
仕上がりをチェックして完成です。
 
 
その造形美は独特で美しく、
また重なった部分に伸縮性が生まれるので、
かぶり心地が抜群ですし、
日本人の丸い頭の形に合わせて
作られているため、
長時間かぶっていても疲れる心配は
ありません。
 
田中帽子店の工房では、園児用帽子、
レジャー用帽子、農作業用帽子などを
作っています。
 
最近では、実用品としてだけでなく、
ファッションアイテムとしても
注目されています。
特に、つばが広めでエレガントな
「女優帽」が人気を集めています。
 
麦わらは通気性が良く、帽子内の熱を逃がしてくれるので蒸れにくいと使われています。
ツバが大きいものほど
温度を下げてくれる効果があり、
約90%以上も紫外線をカットすることが出来る
とも言われています。
 
Stella(ステラ)麦わら:つば長女優帽
 
Anika アニカ麦わら 女優帽
 
Anne(アンヌ)短つば女優帽
 
Chloe2ラフィア 女優帽前
つばだけ長くして前後差をつけた女優帽
 
Casablanca(カサブランカ)
 
Marin/f(マラン・フェム):カンカン帽
 
 

2.吉村商店

明治創業の「吉村商店」では
麦わらとは思えない
カラフルな色使いのバッグを中心に、
手作りで商品を提供しています。
 
  • 住所:〒
    埼玉県春日部市粕壁2丁目7-1
  • 電話:048-752-2245
 

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