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イッピンスペシャル 「工芸女子9人 華麗なる挑戦」

<番組紹介>
3年前、若手の女性工芸家9人がグループを作った。
ジャンルは異なるが、伝統工芸の担い手として
将来に不安を抱える彼女たち。
大舞台にむけ作品作りに奮闘する姿を描く。
 
3年前、東海地方の女性工芸家9人がグループを作った。
それぞれジャンルは異なるが、
いずれも伝統工芸の若き担い手たちだ。
圧倒的に男性の多い職場、
伝統工芸の将来への不安もぬぐいきれない。
そんな中、女性工芸家同士が結束して、
その存在と作品をアピールしていこうと、
グループが結成された。
2019年11月、名古屋市の徳川美術館で
グループ展が開催されることになり、
それに向けて各人が野心的な新作に挑む姿を描く。
 
<初回放送日:令和2年(2020)年9月14日>
 
 
今回のイッピンはスペシャル!
凜九(Link)」の若手女性職人の皆さんの
1年に渡る活動の様子が紹介されました。
 
 


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凜九(Link)」とは、愛知、岐阜、三重の東海3県で活動する
若手女性達による伝統工芸を受け継ぐ職人グループです。
 
根付、絞り染め、一刀彫、七宝、筆、型紙、組紐、和紙、漆という
それぞれの技を受け継ぎ、女性ならではの感性で、
「男性のイメージが強い『伝統工芸』の世界で、
 女性らしいしなやかな感性で、
 『伝統工芸』の世界を表現」するとし、
「たくさんの人と『リンク』して、
 多くの人に伝統工芸の魅力を届ける」ことを目指して
結成されました。
 

link-kougei.com

 
凛九のメンバーは、
  • 有松鳴海絞    大須賀 彩 さん
  • 伊勢一刀彫    太田 結衣 さん
  • 伊勢根付     梶浦 明日香さん
  • 尾張七宝     田村 有紀 さん
  • 豊橋筆      中西 由季 さん
  • 伊勢型紙彫刻   那須 恵子 さん
  • 伊賀くみひも   藤岡 かほりさん
  • 美濃手すき和紙  松尾 友紀 さん
  • 漆芸       村上 麻紗子さん
 
リーダーの梶浦明日香さんの音頭のもと、
このメンバーが集まり、
各々が携わる伝統工芸をもっともっと世に広めるべく
活動を行っています。
 
Youtubeラジオも行っています。

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2.国宝「源氏物語絵巻」特別展覧会(徳川美術館)


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愛知県名古屋市にある徳川美術館では、
毎年11月下旬に、「国宝 源氏物語絵巻」の中から
数場面を選んで特別公開をしています。
 

my.ebook5.net

 
令和元年には、関連イベントとして、
凛九の皆さんとのコラボ企画
凛九の皆さんの作品が展示されました。
 

凛九の各メンバーは『源氏物語』に登場する姫君を1人選び、
作品作りを行ないました。
  • 有松鳴海絞    大須賀 彩 さん ➡ 紫の上
  • 伊勢一刀彫    太田 結衣 さん ➡ 花散里
  • 伊勢根付     梶浦 明日香さん ➡ 明石の御方
  • 尾張七宝     田村 有紀 さん ➡ 藤壺の宮
  • 豊橋筆      中西 由季 さん ➡ 女三宮
  • 伊勢型紙彫刻   那須 恵子 さん ➡ 雲居の雁
  • 伊賀くみひも   藤岡 かほりさん ➡ 葵の上
  • 美濃手すき和紙  松尾 友紀 さん ➡ 玉鬘
  • 漆芸       村上 麻紗子さん ➡ 六条御息所

 
  • 住所:〒461-0023
       愛知県名古屋市東区徳川町1017
  • 電話:052-935-6262
 
 
 

3.凛九メンバーの紹介

1.有松鳴海絞 :大須賀 彩さん(彩-Aya Irodori-


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欧州で有松・鳴海絞のインテリアを展開していた
suzusan」に弟子入りし、仕事を手掛けながら技術を習得。
400年続いた有松鳴海絞りを現代に活かした作品で、数々の賞を受賞。
平成29(2017)年4月に独立して、
自身のブランド「彩-Aya Irodori-」を立ち上げ、
令和2(2020)年8月には、名古屋市有松にアトリエをオープンしています。
 

www.ayaosuka.com

 

2.伊勢一刀彫:太田 結衣さん(一刀彫・結


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伊勢一刀彫(いせいっとうぼり)は、
宮大工が伊勢神宮の御残材を使って
縁起物などを彫り始めたのが起源と言われています。
今は主に楠材が用いられており、
美しい木目をいかした素材が目を引きます。
磨きや彩色をせず刀痕をそのまま残すため、
素朴な中にも力強さと温かみを併せ持つのが大きな特徴です。
 

 
最盛期でも15人だった「伊勢一刀彫」の彫り師。
今は太田さんを入れて4人のみです。
 
 

3.伊勢根付:梶浦 明日香さん

「伊勢根付」(いせねつけ)とは、お伊勢参りのお産として
「無事帰る」「子孫繁栄」などの縁起を込めて、
ヒキガエルやネズミをモチーフに作られた根付のことです。
 
関東地方では「象牙」(ぞうげ)が多く使われてきたのとは対照に、
伊勢では、「木の宝石」と呼ばれるツゲの中でも、
特に粘りと堅さのある伊勢独特の「朝熊黄楊」を使って、
細部にまで彫りが施され、緻密で芸術性の高いものが発展してきました。
 

 
「凛九」の代表も務める梶原さんは元NHKアナウンサーで、
取材を機に親しくなった伊勢根付職人・中川忠峰さんの元で修業を始め、
令和元年にはロンドンの日本美術展で大賞を受賞しています。
 
 

4.尾張七宝:田村 有紀さん(田村七宝工芸


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愛知県あま市および名古屋市一帯で作られている
尾張七宝(おわりしっぽう)は、
天保年間(1830~1844)に、尾張国の梶常吉が、
オランダ船により輸入された七宝の皿を手掛かりにその製法を発見し、
改良を加えたのが始まりとされています。
銅や銀の金属素地の表面に、
色付きのガラス質の釉薬を施すことが特徴です。
 

 
田村有紀さんは、田村七宝工芸の五代目にして、
発祥の地「七宝町」の最後の跡取り。
ライブシンガーとして講演会スピーカーとして幅広く活動する
職人さんです。
 
 

5.豊橋筆:中西 由季さん(筆工房 由季


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愛知県豊橋市近郊で生産されている「豊橋筆」(とよはしふで)は、
生産量では広島県熊野町の「熊野筆」についで全国第2位だが、
書道家向けの高級筆としての生産量は全国の80%を占めます。
他にも日本画用、工芸品用、化粧用など
何百種類以上もの筆が作られています。
 

中西さんは、京都伝統工芸大学校を卒業後、
豊橋筆伝統工芸士・川合福瑞氏に弟子入り。
令和2(2020)年より自身の工房「筆工房 由季」を設けて活動中です。
 
 

6.伊勢型紙彫刻:那須 恵子さん


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「伊勢型紙」は染色用具として、
渋紙を熟練の職人が手彫りの技法で文様・絵柄を彫り抜いたもので、
江戸小紋・京友禅といったきものや手拭いなどの型染めに
用いられてきました。
 

那須さんは、以前は印刷会社のデザイン部でイラストを描いていましたが
一生追求出来る仕事をと、
突彫りの職人である生田嘉範(いくたよしのり)氏に師事、
自らの技術を磨くとともに、
伊勢型紙の普及・振興のためのワークショップや街起こしなどの活動にも
積極的に参加していらっしゃいます。
「突彫り」とは、刃先が1~2㎜の小刀で突くように彫る技法です。
 
 
 

7.伊賀くみひも:藤岡 かほりさん(藤岡組紐店)


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三重県で作られている「伊賀くみひも」は、
絹糸を主に金銀糸などを組糸に使い、
角台・丸台・高台などの伝統的な組台を用いて
繊細な美しさをもつ紐に編み上げたもので、
「帯締」などとして和装には欠かせない工芸品です。
主に絹糸を使い、組み糸に金銀糸を使用して作られています。
明治時代中期から本格的に産業として発展しました。
特に高台による「手組み紐」が有名で、全国生産の大半を占めています。
 
藤岡 かほりさんは、昭和初期に創業した
藤岡組紐店の4代目・潤全(ひろはる)さんの奥様で、
結婚してから義母や夫に教えてもらいながら、
組紐職人としての道を歩み始めました。
 
現在は、「着物を着ない人にも組紐の魅力を伝えたい」と、
額装して眺めるアートや壁にかけて楽しむタペストリー、
帯締めを組む時に出てしまう数㎝の「あまり絹糸」を使った
「SDGsイヤリング」などの制作をしています。
 

fujiokakumihimo.com

 
 
 

8.美濃手すき和紙:松尾 友紀さん


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岐阜県美濃市を中心につくられる「美濃和紙」のうち、
美濃手すき和紙協同組合員が漉いたものを
「美濃手すき和紙」と言います。
温かみのある風合いで、ムラがなく薄くて丈夫。
表具や岐阜提灯、和傘など様々な製品に用いられています。
 

 
松尾さんは元ホテルマン。
休日にふらっと入ったギャラリーで観た展示をきっかけに
和紙の世界に飛び込みました。
小川町、越前を経て原点である障子紙の産地美濃へ。
本美濃紙技術保持者の鈴木はぎ、豊美両氏に師事。
平成21(2009)年に独立し、紙すき全工程を一人でこなす紙つくりを始めました。
 
 

9.漆芸:村上 麻紗子さん(Urushi一滴)


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漆芸作家の村上麻紗子さんは千葉県出身です。
スポーツメーカーのデザイナーから、
香川県の漆芸研究所で讃岐漆芸を学び、
三重県に移住後は神職が履く浅沓(あさぐつ)の製造技術を習得。
現在は、日本のサブカルチャーと伝統工芸を組み合わせて、
漆の魅力を新しい形で表現することを目指して
活動をしていらっしゃいます。

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