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イッピン「よーく見れば楽しさ無限! ~東京 江戸の小紋柄~」

<番組紹介>
極小の連続模様が特徴の江戸の「小紋柄」。
その柄を色鮮やかに詰め込んだポップなストールや、
表と裏に秋の季節を感じさせる小紋柄を施した傘などが
隠れおしゃれを楽しみたい人たちの間で人気だ。
「よく見ると楽しさが何倍にも広がる」
手に取った人がワクワクする小紋柄の世界。
極小の柄に込められた職人たちの思いと超絶の職人技を
女優で歌手の新妻聖子が徹底リサーチする!
<初回放送日:平成29年(2017)年11月7日>
 
 

1.前原光榮商店の「両面染めの日傘」(富田染工芸)


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前原光榮商店の「両面染めの日傘」は、
伝統の江戸小紋生地を日傘に仕立てたものです。
表と裏に秋の季節を感じさせる小紋柄を施されています。
この生地を製作しているのは、「富田染工芸」さん。
新宿の神田川周辺には、「富田染工芸」さんの他、
30もの染め物工場が集まっていっています。
 
傘の模様は10万種類以上の型紙で作られています。
傘に使われる厚さ0.5mm生地に、
型紙の上から「防染糊」と呼ばれる糊を置きます。
この時、型紙を移動させながら布に柄を塗っていくのですが、
柄の中に紛れた目印「ホシ」に型紙を合わせて行います。
この柄と柄の境目が分からないように塗るのは大変難しい作業です。
 
糊が乾いたら、次はヘラを使って
餅粉と糠を合わせて作った糊を混ぜた染料を
布の上に均一に伸ばしていきます。
糊と混ぜることで染料が糊に閉じ込められるため、
乾かした布をひっくり返しても、
染料は染み込まず布の裏に色が付くことはありません。
 
最後に生地を蒸すことで生地にしっかり色が染み込ませ、
更に一気に高温にして、色を定着させます。
そして蒸し上がった生地は水に入れ、表面の余分な糊を落とします。
 
こうして作られた生地を繋げて縫い合わせることで、
両面染の傘が作られるのです。
 
  • 住所:〒169-0051
       東京都新宿区西早稲田3-6-14
  • 電話:03-3987-0701
 

 
 

2.大松染工場


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墨田区にある「大松染工場」の工房では、
柄を色鮮やかに詰め込んだポップなストールを作っています。

入り口には、葛飾北斎の版画を元にデザインされた着物が
飾られていました。
この着物を近くから見ると、様々な小紋柄が絵が構成されています。
「小紋合わせ染め」と呼ばれる技法です。
 

 
まず小紋柄でサイコロの目の部分だけを描き、
粘着フィルムを染めたい部分に乗せ、
表面のフィルムだけを切り抜きます。
少しでも力を入れ過ぎると布も切れてしまうので
緊張を要する仕事です。
 

 
その後、フィルムからはみ出さないように
防染糊でサイコロを塗っていきます。
そこに更に塗料を塗るという作業を繰り返すことで、
「小紋合わせ染め」は作られます。
 

 
通常の何倍もの手間が掛かる作業ですが、
職人中條さんは、
「職人を長くやっているとどんどん手が混んだものを作りたくなる。
 そのうちこのようなものが出来上がってしまった」と
おっしゃっていました。
 

 
  • 住所:〒131-0041
       東京都墨田区八広2丁目
       26-9 27-10
  • 電話:03-3611-5019
 
 

3.二葉苑・井上英子さんの東袋


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「二葉苑」は、大正9(1920)年に落合で開業した老舗の染色工房です。
江戸時代から受け継がれている
「江戸小紋」や「江戸更紗」の染色技法、染色文化を継承し、
着物だけでなく装身具やインテリアなどにも伝統の作品を提案しています。
創業100年を迎える令和2(2020)年、
「二葉苑」は「染の里おちあい」に生まれ変わりました。
 

 
井上英子さんは、美術大学でテキスタイルデザインを専攻しました。
市松模様の小紋柄に更にチェック柄を描くなど、
新たなデザインを考案しています。
井上さんはこの生地を使って東袋を作ってくれました。
 

 
「東袋」とは、一枚の風呂敷の2箇所をまっすぐに縫うだけで出来上がる
「袋」のことを言います。
作りはとってもシンプル。
何も入れていない状態だと、このようにフラットになります。
上部の三角部分を左右一緒に結んで持ち手にすれば、
バッグとしても使える日本版「エコバック」です。
持ち手を長めに結べば、
サイズによっては肩にかけてトートバッグのようにも使えます。
小さなサイズのものはお弁当袋にピッタリ!
袋状になっていて、お弁当箱をすっぽり入れることが出来ます。
 

 
カゴバッグの目隠しバッグにもなります。
柔らかい布製で、形がカチっと決まっていないので、
様々なカゴバッグに合わせやすく便利です。
 
  • 住所:〒161-0034
       東京都新宿区上落合2-3-6
  • 電話:03-3368-8133
 

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