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美の壺「15周年記念!ジャズ」 <File533>

<番組紹介>
熱烈なジャズファンの落語家・林家正蔵さんが語る、
ジャズの魅力とは?!
▽日本を代表するジャズピアニスト・
 山下洋輔さんによる「即興」の極意
▽時代を変えた「エレキギター」
▽今大人気の
 ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドによる、
 ジャズ名曲メドレー
▽世界三大サックスメーカーが、
 本多俊之さんの理想の音を作る!
▽伝説の「ジャズ喫茶」がこだわる「音響システム」
▽谷啓×草刈正雄のセッション!
 

 

 
15周年を迎えた「美の壺」。
クールで かっこいい ジャズの魅力に迫ります。
蔵から、『美の壺』の初代案内役だった
谷啓さんの遺品のトロンボーンが出てきたり、
植木等さんのギターが出てきたり・・・・。
 

 
 

美の壺1.一期一会の音に浸る

 

日本最大規模のジャズの専門「ディスクユニオン Jazz TOKYO」


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日本有数の品揃えを誇る
ジャズの専門店「ディスクユニオン Jazz TOKYO」で
40年を超える熱烈なジャズファンの落語家・林家正蔵さんが
「餌箱をつつ」いていました。
(「餅箱をつつく」:掘り出し物はないかという作業)
 
  • 住  所:〒101-0062
         東京都千代田区神田駿河台2-1-45
         ニュー駿河台ビル2F
  • 電  話:03-3294-2648
  • 営業時間:12:00-20:00 (当面の間)
 
 
 
 

ジャズの構成(ジャズピアニスト・山下洋輔さん)

 
それぞれが気ままに演奏しているように見えるジャズですが、
基本になる構成があります。
日本を代表するジャズピアニスト・山下洋輔さんに教えて頂きました。
曲は、ジャズのスタンダード 「チュニジアの夜」です。
 

 
「リードシート」と呼ばれるジャズの譜面。
リードシートとは、
メロディとコード進行をA4サイズ1ページから2ページにまとめた
楽譜のことです。
 
この曲は3つのブロックに分かれていて、
最初は「イントロ」、次が曲のメインになる「テーマ」、
そして「インタールード」と呼ばれる間奏。
一度、テーマをみんなで弾いたら、
それぞれがソロを取って、繰り返し演奏します。
そのため、たった1枚の譜面で何分も演奏を続けられるのです。
 
ジャズの花「アドリブ」は、
テーマを踏まえながらその場で曲を作り、即興演奏をします。
どんな演奏になるのか、メンバーすら分かりません。
相手の出方に反応しながら、演奏に絡みます。
 
山下さんは、60年代後半に
基本的な構成すらなくした自由を極めた過激なジャズ
「フリージャズ」で世界的な存在になりました。
 
 

美の壺2.創造:時代を変えた新たな響き

 

ジャズギターの歴史(ジャズギタリスト・田辺充邦さん)

 
ジャズギタリストの田辺充邦(たなべ みつくに)さんが
ジャズギターを紹介してくれました。
 
1930年代、エレキギターの発明がきっかけで、
ジャズでギターがソロ楽器になりました。
その強く伸びのある音色が、
ある若者にインスピレーションを与え、
ジャズギターの歴史を変えることになります。
 
 

ジャズギタリスト・Charlie Christian(チャーリー・クリスチャン)

 
チャーリー・クリスチャンはエレキギターでソロを弾いた先駆者の一人です。
それまでギターは、リズムを刻むだけの地味な伴奏楽器でしたが、
チャーリー・クリスチャンの流れるような旋律が、
ギターを花形楽器へと押し上げたのです。
25歳で亡くなるまでの僅か数年間に生み出したそのサウンドは、
今もジャズギターのスタンダードです。
 
 

ジャズギタリスト・Wes Montgomery(ウェス・モンゴメリー)

 
ジャズギターのもう一人の巨人がウェス・モンゴメリーです。
オクターブ奏法など、独自の弾き方を生み出して一世を風靡しました。
ウェス・モンゴメリーはピックを使わずに親指で全部弾きました。
これは、都市伝説みたいになっているのですが
家で練習してたら、奥さんにうるさいと言われたので、
指で小さい音で弾くようにしたら、速く弾けるより、
だったらピック持たなくてもいいとなったのだそうです。
偶然に身につけた、親指だけの奏法により、
ジャズの甘く官能的な音色を作り出したのです。
 

 
 

ジャズの歴史


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ジャズは19世紀末のアメリカ南部のニューオーリンズで生まれました。
奴隷から解放された黒人達が生活のため、歓楽街で演奏を始めたのですが、
その「魂の叫び」がジャズを生み出しました。
 

 
番組では、 Gentle Forest Jazz Band
(ジェントル・フォレスト・ジャズバンド)の演奏でジャズの歴史を辿りました。
 
 
St. Louis Blues(セントルイス・ブルース)

 
「Saint Louis Blues(セントルイス・ブルース)」は
20世紀初頭に生まれたニューオーリンズジャズの代表曲です。
William Christopher Handy(ウィリアム・クリストファー・ハンディ)
1914年に作曲した楽曲で、
黒人労働歌や霊歌など黒人達の嘆きの歌が元になっています。
スタンダードナンバーとなり、様々なアーティストのカヴァーしています。
 
In the Mood(イン・ザ・ムード)

 
「In the Mood(イン・ザ・ムード)」は
Joe Garland(ジョー・ガーランド)が作曲した
ビッグバンドによるスイングジャズの代表曲です。
1939年に、Glenn Miller Orchestra(グレン・ミラー・オーケストラ)の演奏で
ヒットしました。
 
Cherokee(チェロキー)

 
「Cherokee(チェロキー)」はモダンジャズのスタンダードです。
Ray Noble(レイ・ノーブル)が作曲し、
Charlie Barnet(チャーリー・バーネット)が編曲し、
バーネット楽団の演奏でヒットしました。
後に、Charlie Parker(チャーリー・パーカー)の演奏で
モダンジャズのスタンダードナンバーとして有名になりました。
 
 

美の壺3.俺:自分だけの音を刻んで

 

サックス奏者・本多俊之さん

 
サックス奏者の本多俊之さんは、
旺盛なライブ活動だけでなく、映画やドラマの音楽も手掛けています。
その活動を支えているのが、愛用のサクソフォンです。
 
 

サックスメーカー・柳澤管楽器

 
サクソフォンメーカーの柳澤管楽器は、
明治27(1894)年創業の老舗で、
世界3大サックスメーカーの一つです。
本多さんの楽器を作った工場です。
 
600近い部品を職人達が組み立てています。
主な材料は真鍮、銅と亜鉛の合金です。
混ぜる比率を変えることで、音質が変わります。
響きを決めるのは、管の厚みです。
薄過ぎると音が割れ、厚過ぎると響きません。
数百分の1mmの差で音が変わります。
それを職人達は、手で触った感覚だけで判断します。
 
 

ジャズ喫茶「BASIE(ベイシー)」(菅原正二さん)


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岩手県一関市。
ここに、ジャズの聖地があります。
古い土蔵を改造した「ジャズ喫茶」です。
 
ジャズ喫茶は、ジャズのレコードをただひたすら聴くための場所です。
これは、日本独自の文化で、
中でも「BASIE」は、「日本一音の良いジャズ喫茶」と呼ばれています。
 

 
マスターの菅原正二さんは
昭和45(1970)年の開店以来、最高の音質を追い求めてきました。
音の抜けを良くしたいと、天井板を抜いたこともあるそうです。
 
基本的にリクエストには応えません。
かけるのは、自分で選んだレコードのみ!
6つのスピーカーには、6台のビンテージのパワーアンプを割り振る
大掛かりなサウンドシステムです。
 
菅原さんのこだわりは、最高の音質を大音量で鳴らすことです。
調整には細心の注意が必要です。
スピーカーの位置がほんの1mmズレただけでも
音が変わってしまうのだそうです。
「レコードをかけるのではなく、レコードを演奏するのだ」と語る菅原さんは、
音の最終チェックはスピーカーを背にして行います。
後ろ向きの方がお客さんに向かって聴かせるバンドマンの気分に、
バンドの中に自分も入ったかのように感じるのだとおっしゃいます。
 
菅原さんの音を聴くために 世界中から ジャズファンが訪れます。
 
ジャズ喫茶「BASIE」(ベイシー)
  • 住  所:岩手県一関市地主町7-17
  • 電話番号:0191-23-7331
  • 営業時間:14:00~19:00(木〜月)
  • 定 休 日 :火曜・水曜
 
 


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