高知県内の高知市から東部の海岸地域では
端午の節句に男の子の逞しく健やかな成長を願って、
鯉のぼりや幟とともに、巨大な祝い旗「フラフ」が掲げられます。
男児誕生の祝いとして、
親戚から家紋や名前を入れた「フラフ」が贈られ、
近所の人々が手伝って柱を立て、
節句にはおきゃくをして皆で祝いの酒を飲むのが慣わしでした。
幟に比べて揚げ降ろしが容易なことから、
春先に繁忙を極める農家にも広がっていきました。
「フラフ」は「旗」を意味する
オランダ語の「Vlag(フラハ)」が訛ったものであるとか、
英語の「Flag(フラッグ)」が訛ったものであるとか言われています。
「大漁旗」から着想したものと言われていますが、
この地で「フラフ」染めが行われ始めたのは
米の二期作が始まった明治の終わり頃からだそうです。
絵柄は、桃太郎や金太郎が一番多いそうで、
元気で逞しく、勤勉に育って欲しいといった
親の願いが込められているのでしょう。
でも基本は、悲劇のヒーローの武者絵です。
例えば、那須与一、源義経、加藤清正、楠木正成、太田道灌などです。
悲劇のヒーローを「フラフ」に描き崇め奉ることによって、
その災いをその武者に肩代わりしてもらおうとか、
これら武者の悲劇をも乗り越えて強く元気に生きろ!
という思いもあるのだそうです。
七福神宝船などのようなおめでたい図柄もあります。
「フラフ」は、90cmまたは110cm巾の布を繋いで
大きな1枚のキャンバスに仕立てます。
大きい物では縦が4m、横が7m程、
小サイズでも縦が2m、横が3mあると言うことです。
但し現在は、 柱を立てる場所・ 保管する場所がないことから、
室内用の「ミニフラフ」の需要が増えているそうです。
「フラフ」は全工程が手作りです。
90cmまたは110cm巾の布を繋いで、大きな1枚のキャンバスに仕立てます。
布は木綿と決まっていて、支柱を2本立ててその間に布を張り、
表から裏から、染料と顔料で丁寧に彩色していきます。
乾いたら背景となる部分を染め、家紋や名前を入れます。
色止めをしたら水洗いをして糊を落とし、川で流し洗いをして仕上げます。
最後はミシンで縫い合わせて完成です。
フラフの製作は全て手描きで行われます。
布は木綿と決まっていて、
染料と顔料で鮮やかに染め上げ 1枚仕上げるのに1か月半ほど要します。
まず、下絵の上に布を広げ、
もち米の粉を蒸して煮た糊で筒描きし、
染料や顔料が混ざらないよう堤防を作り、
表から裏から丁寧に彩色していきます。
乾いたら背景となる部分を染め、 家紋や名前を入れます。
色止めをしたら水洗いをして糊を落とし、川で流し洗いをして仕上げます。
最後にミシンで縫い合わせて、完成です。
夏は糊が腐敗したり、湿度が高いとカビが生えたりするため、
作業は冬が適しているそうです。