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美の壺「ロマン広がる 地球儀」 <File 501>

<番組紹介>
 ▽コピーライター・糸井重里さんが考案した、
  AR技術を駆使した最先端の地球儀。
  その誕生秘話とは?
 ▽宇宙飛行士・毛利衛さんが、
  訓練に使った愛蔵の地球儀公開!
  有機ELパネルで作られた直径6mを超える
  巨大な「地球ディスプレー」への思いも!
 ▽江戸時代、日本人が和傘に着想を得て作った、
  貴重な折り畳み式地球儀とは?!
 ▽80年以上続く地球儀制作会社の、
  緻密な「手貼り」の技に迫る!
<初回放送:令和2(2020)3月27日>
 
 

 
地球を表現した球体模型「地球儀」。
地球儀は今、大人にも人気の様々な地球儀があります。
江戸時代に日本人が作った「持ち運びが出来る地球儀」、
今も職人によって「手貼りという手法で作られた地球儀」、
ARの機能と連動した「最先端の地球儀」も。
宇宙から地球を見た日本人初の宇宙飛行士・毛利 衛さんも
地球儀の愛好者の一人。
新しい出会いに溢れる地球儀で、世界を感じてみませんか。

美の壺1.世界を身近に

銀座の老舗の文具店「伊東屋」の地球儀売り場

東京・銀座にある明治37年創業の文房具店「伊東屋」には、
限定モデルの高級筆記具にオリジナル手帳、
直輸入のステイショナリーなど
国内外から集められた4万点もの文房具が並んでいます。
 

 
伊東屋では、創業間もない頃から
地球儀を大切な商品として扱ってきました。
銀座伊東屋本店の6階には、
専門のバイヤーが国内外から集めた地球儀が
沢山並んでいます。
 
学習向けの国を色分けした「行政タイプ」
 
地理的な特徴を表した「地勢タイプ」
 
インテリアとしても素敵な
落ち着いたトーンにデザインされたアンティーク風の地球儀。
 
太陽光と地球の磁力を利用して
半永久的に回り続ける仕組みの自転する地球儀もあります。
 
表面をめくると地球の構造を学ぶことが出来る
紙の地球儀もあります。
照明タイプの地球儀は優しい光で照らしてくれます。
 
  • 住所:〒104-0061
       東京都中央区銀座2-7-15
  • 電話:03-3561-8311
  • 営業時間
    ・平日   :10:00~20:00
    ・日曜・祝日:10:00~19:00
 
 

地球儀好きの語学教師・タカサカモトさん


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語学教師・タカサカモトさんは、
主にプロのアスリートに対して、
英語やスペイン語など4か国語を個別指導しています。
この日は、ドイツのリーグで活躍する
サッカーの遠藤 航選手のレッスンを行っていました。
サカモトさんがレッスンをする際欠かせないのが
「地球儀」です。
 
学生時代、ラテンアメリカの文化に興味を持った
サカモトさんは、
メキシコに留学するなど、世界との繋がりを深めていきました。
いつもそばに置く地球儀は、二十歳の時に買ったものです。
 
「長年、組んでるじゃないですけど、
 そばに置くことで世界を身近に感じられる。」
 

takasakamoto.com

 

美の壺2.視野を広げる

世界最古の地球儀「べハイムの地球儀」のレプリカ
国土地理院の博物館「地図と測量の科学館」)


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茨城県つくば市にある
マルティン・ベハイムが作った
世界最古の地球儀「べハイムの地球儀」のレプリカがあります。
オリジナルは、ドイツの貿易商のマルティン・ベハイムによって
1492年に作られました。
 
この足跡のような島は・・・なんと日本。
「ジパング」と表記されています。
まだ太平洋上に、アメリカ大陸はありません。
ベハイムの地球儀は、
大航海時代、探検家の旅行記などを基に作られました。
そのため、地図の中には
その土地の風俗を表した絵なども描き込まれています。
 
奈良県立図書情報館の館長、地球歴史学者の千田稔さんが
地球儀について教えてくださいました。
 
世界で最初に作られた地球儀は
ギリシア時代に遡ると言われていますが、
現存する世界最古の地球儀は、
1492年にドイツ、ニュルンベルクで
マルティン・ベハイムが作ったものです。
 
1459年頃に
ニュルンベルクの毛織物業者の家に生まれたべハイムは、
青年時代に天文学の知識を得、
大航海時代であった当時の先進国の一つ、
ポルトガル・リスボンを幾度となく訪れては、
航海器具の作成や、
天文学者が作成した『天体暦』などを伝えるなど、
航海技術の向上を手伝っていました。
また、時のポルトガル王・ジョアン2世の
航海委員会の委員になったり、
いくつかの航海にも参加したようです。
 
一時的にニュルンベルクに戻ったベハイムは、
リスボンで聞いた世界の広がりについて触れ回り、
その話を聞いたニュルンベルク市が
ベハイムに地球儀製作を依頼しました。
 
1492年に完成した直径50cmの金属製の地球儀には、
1100カ所以上の地名が書き込まれている他、
赤道や黄道、南北回帰線、北極圏や南極圏も表示され、
更にラクダや人魚、帆船など111枚の細密画が
添えられていました。
この地球儀は現在もニュルンベルクにある
「ドイツ国立博物館」に保存されています。彼はこの地球儀にドイツ語で「大地のりんご」という意味の「エルダプフェル (Erdapfel)」という名前をつけました。
 
  • 住所:〒305-0811
        茨城県つくば市北郷1番
  • 電話:029-864-1872
 
 

ファルク地球儀(長崎県平戸市の松浦史料博物館

 
「松浦史料博物館」は、長崎県平戸市にある
国や県指定となっている
旧平戸藩主松浦家と平戸の歴史に関する史料、
古文書や絵巻、鎧等が所蔵されている歴史博物館です。
ここに、江戸時代に外国から伝わった地球儀が保管されています。
これは、長崎出島より平戸藩9代藩主・松浦静山が入手した、
オランダ製の地球儀です。
当時、地球儀制作の中心であった
オランダ・アムステルダムにあったファルク工房
(製作者:ヘラルト・ファルク、レオナルド・ファルク父子)で
1700年に製作されたものです。
 

 
この頃になると、
日本の地形もだんだん正確になってきています。
当時、外国と交易を行うために、地球儀は大切な情報源でした。
 
木製台座およびに子午環に「平戸楽歳堂蔵」の刻銘がみられ、子午環最上部に製造番号7と刻まれている。当時地球儀工場ともいわれたアムステルダムのファルク父子の工房で製作され、現在世界で確認されているファルク製作の地球儀の中でも大変保存状態が良いものと言われています。地図上の特徴としては、現代の地球儀にはないもので、当時航海のため方角をはっきり知るために必要とされたポルトラーノという放射線状の線が多数描かれている。
 
  • 住所:〒859-5152
        長崎県平戸市鏡川町12
  • 電話:0950-22-2236
 
 

大輿地球儀

江戸時代末期になると、
日本でも地球儀が作られるようになります。
地球儀「大輿地球儀」(だいよちきゅうぎ) は、
土浦藩で作られた和傘に着想を得て作られたものだそうです。
 
土浦市立博物館」の副館長で、
学芸員の木塚久仁子さんが解説して下さいました。
 
塾を営んでいた
沼尻墨僊(ぬまじり ぼくせん)という考案したのは、。
墨僊は、日本人に世界を知って欲しいと
この地球儀を考案しました。
地図の部分は印刷することで大量生産が可能で、
全国に100枚程出荷されたと言われています。
 
 「大輿地球儀」(だいよちきゅうぎ)
 大量生産・販売を目指して木版刷りをされた
 我が国最初の傘式地球儀です。
 12本の竹ひごの骨と長さが40㎝程の棒を持つもので、
 その上に木版印刷された世界図を張り合わせ、
 傘を開くように片方を押し上げると地図が開く仕掛けに
 なっています。
 現在残っているのは安政 2(1855)年に作られたもので、
 土浦市立博物館に展示されています。
 
 

創業80年の地球儀製造メーカー「渡辺教具製作所


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埼玉県草加市にある地球儀などを作る「渡辺教具製作所」では、
機械での生産を行う一方、
80年以上 「手貼り」といわれる手法を守ってきました
 
プラスチックの球体に18枚の地図を貼り付けていきます
一つの地球儀に30分から1時間。
職人が丁寧に仕上げていきます。
地図と地図の境目も、ピッタリ繋がっています。
 
「手貼りの良さっていうのは、やっぱり丈夫ですので。
 後は、情報が変わったりすることもありますね。
 例えば国の名前が変わったりとか。
 そういう時には、貼り直しということも出来ますので、
 お持ちの台を生かしていただくということも出来ますから。」
 
この会社では、手貼りの技術を生かして
「特注地球儀」の制作にも力を入れています。
今回は、児童養護施設から、新設される園庭に、
直径1mの大きな地球儀を置きたいという注文を受けました。
 

 
特注地球儀の制作は 職人全員で行います。
まず地図を貼るための目印を書き込んでいきます。
ズレがないように貼り付けるための大切な工程です。
最初の1枚を貼り付けるのが最も重要な作業。
ところが、特注した球体と地図の大きさが僅かに合いません。
ここからが職人技。
少しずつシートを伸ばして、地図と球体を合わせていきます。
大きくなればなるほど、歪みが大きくなりますから難しくなります。
制作を始めて6時間、直径1mの特注地球儀の完成しました。
 

 
  • 住所:〒340-0003
        埼玉県草加市稲荷3-20-14
 
 

美の壺3.未来を感じる

糸井重里さん考案の地球儀「ほぼ日アースボール」


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渋谷にある複合商業施設「渋谷PARCO」の4階には、
東京の文化を案内するアンテナショップ
ほぼ日 カルチャん」があります。
ここに、新しい楽しみ方が出来る地球儀があります。
専用のアプリを起動し、タブレットをかざすことで、
地球儀の動きと連動して、
様々なコンテンツを楽しむことが出来ます。
 

 
考案したのは、コピーライターの糸井重里さんです。
糸井さんが目指したのは、自由に遊べる地球儀です。
その開発の中でAR拡張現実の技術と出会い、
現在の形になりました。
ARとは「Augmented Reality」の略で、一般的に「拡張現実」と訳される。実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というものだ。
 
「まず、国旗が飛び出した時に爆笑しましたね。
 ・・・・
 こういうものの中に何かがあるんじゃなくて、
 この中にあるものをほじくり出してるんだ、みたいな。
 そういう感覚で見えるというのが、
 何か 今の時代の人が求めてることじゃないかな。」

 

 
最先端の技術で 新たな楽しみ方が出来る地球儀。
  
 
  • 住  所:〒150-0042
          東京都渋谷区宇田川町15-1
         渋谷PARCO4階
  • 電  話: 03-5422-3963
  • 営業時間: 11:00-20:00
 
 

日本初の宇宙飛行士・毛利衛さん発案
ジオ・コスモス(地球儀ディスプレイ)」(日本科学未来館


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平成4(1992)年、NASAの宇宙センターから打ち上げられた
有人ロケット「エンデバー号」。
当時、日本人初、科学者の宇宙飛行士として搭乗した毛利衛さんは、
現在は、お台場にある「日本科学未来館」の館長をされています。
 

 
この「日本科学未来館」の建物の入り口すぐのところに
毛利さんのアイデアによって生まれたシンボル展示があります。
 
ディスプレイは有機ELパネル製で、
およそ1千万個の有機ELパネルに
人工衛星が撮影した雲の動きを投影し、
日々 移り変わる地球の姿を見ることが出来ます。
他にも様々なコンテンツを見ることが出来ます。
例えば、世界各地の気温の変化をシミュレーションしたもの。
これは、日本の海洋研究開発機構などのデータを基に作られました。
 
 


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毛利さんは、宇宙から地球を見た時
「この地球がいつまでも続くように」という思いがしたと
おっしゃいます。
地球の姿は、宇宙から見なければ見えない。
この体験を皆さんにも感じてもらいたいと、
この地球儀を思いついたそうです。
 
毛利さんが大切にしている地球儀は、
ロケットでの任務のために訓練に使った地球儀です。
 
「私が宇宙で感じたことを、今振り返って、
今の自分生かせてもらってるのは、この地球の環境ですよ。」
 
 
日々 変化する地球。
その姿に ちょっと向き合ってみませんか。
 
  • 住所:〒135-0064
       東京都江東区青海2丁目3−6
  • 電話:03-3570-9151
 

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