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秋田県「川連漆器」

「川連漆器」は、
秋田県の南端、湯沢市川連町に受け継がれる伝統工芸品です。
 
今から約800年前の鎌倉時代に、
この地の城主の弟が、奥羽山脈の豊富な木材と漆を利用して、
家臣の内職として武具に漆を塗らせたのが始まりだそうです。
慶長年間(1596~1645年)には椀などの漆器製造を始めます。
江戸時代中期(1815)になると、他国にも販路が開かれ、
以来、藩の保護政策のもと、
椀や膳、盆、重箱など幅広い漆器が作られるようになりました。
天保年間に会津から塗法が伝えられ、
嘉永元年には会津蒔絵の技法が伝えられて、
装飾の基盤も大きく築かれました。
一つ一つ手づくりで、 堅牢で実用的な漆器を作り続けたことで、
昭和51年、国の伝統的工芸品に指定されました。
今では、全国でも有数の漆器産地として成長を続けています。

 
「川連漆器」は丸みを帯びた、手にしっくりと馴染む形状で、
置いた時の安定感があるのが特徴です。
そして、普段使いにピッタリの漆器と言われています。
普段使いには、丈夫で使い勝手が良く、
更に手頃な値段であることが大切です。
「川連漆器」は木地を丈夫にするため、
「堅地仕上げ」と言われる下地作り技法が行われています。
これは、柿渋汁にホウやヤナギなどを焼いた炭粉を混ぜたものを塗り、
乾いたら研ぎ、続いて生漆を塗るという「地塗り」を
数回繰り返すというものです。
 

 
水を一切使わないため、木地がゆがみにくく、
本堅地に並ぶ 丈夫な下地になります。
また、生漆の代わりに柿渋汁、地の粉の代わりに炭粉を使うので、
値段を抑えることが出来ています。