MENU

栃木県「野州麻」

 
鹿沼市は麻の生産量日本一を誇る産地です。
鹿沼の麻は古くから「野州麻」(やしゅうあさ)と呼ばれ、
美しい光沢があり薄くしなやかで丈夫なのが特徴で、
全国各地に出荷されています。
 

 
 
かつて、日本の麻は衣食住を支える存在として、
各地で大切に栽培されていました。 
90日で3~4mに育つ麻の茎からは、
表面の繊維を衣類や生活に必要な糸や綱として、
茎の芯は「麻幹」(おがら)と呼ばれ、
家の屋根や内装材、また炭として使われました。
 

 
種は油を取ったり、
七味唐辛子やガンモドキにも含まれる
「麻の実(ヘンプシード)」として利用されました。
 

 
邪気を払う力があるとされ、
神社の「しめ縄」や横綱の「しめ縄」、「岩田帯」、
「共白髪」などに用いられた他、
成長がとても早くて、大きく根を張ることから
人々の成長・子孫繁栄・発展・商売繁盛などの縁起物と
見なされてもきました。
 
  
 
和紙の原料としても使われてきたのですが、
繊維が強く、加工しにくい為、
楮や三椏にとって代わられました。
 

 
麻の栽培農家7代目の大森由久さんは、
平成24(2012)年に「日本麻振興会」を発足させ、
麻の伝統文化や生活文化の伝承と
新産業への振興を目的に活動を始めました。
 
そして8代目大森芳紀さんは
平成13(2001)年に「野州麻紙工房」を設立、
日本に唯一、麻を原料にした和紙作りを始めて、
麻の独特な質感を活かしたランプシェードなど、
和のインテリアを手掛けています。
因みに、大森さんの畑で栽培されるのは、
栃木県が昭和57年に品種改良に成功した、
無毒大麻、「栃木白」(とちぎしろ)という品種です。
陶酔作用を起こす「THC成分」をほとんど含んでいません!