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イッピン「カーブが生みだす木の表情 岐阜 飛騨の家具」

<番組紹介>
今回は岐阜県の『飛騨の家具』。
スタイリッシュなデザインのイスや、ユニークな形のテーブルなど、
個性豊かな製品が大人気。
木の表情を最大限に生かしつつ家具を作る秘密を、
DIY好きの女優・黒谷友香が徹底リサーチ!
イスの背もたれに大胆なカーブを作る『曲げ木』の職人や、
特殊なカンナで家具に独特の温かみを作る職人。
そして家具に向かないとされる杉材を 丈夫な家具に変えるワザなど
飛騨地方に息づく家具作りに肉薄する。
初回放送:平成26年4月29日)
 
 
 
飛騨の小京都と呼ばれ、江戸時代の面影を残す街並みが魅力の
岐阜県高山市。
高山市を中心とした飛騨地方は
日本でもトップクラスの脚物家具の生産地です。
ミュージアム飛騨」には名産の「飛騨の家具」が展示されています。
「飛騨の家具」は木材を曲げて作る緩やかなカーブが特徴です。
 
  • 住所:〒506-0032
       岐阜県高山市千島町900-1
 
 

1. 澤田明博さん(飛騨産業)

 
大正9(1920)年8月創業の飛騨の家具の老舗メーカー「飛騨産業」。
キツツキのトレードマークをご存知の方も多いのではないでしょうか。
山に眠っているブナの木を活用して曲木の家具を作ろうと、
町の有力者有志が出資して始まった
「中央木工株式会社」がその前身です。
 
大正14(1925)年には、天皇陛下銀婚式記念国産共進会で
「曲木椅子」が1等金牌を受賞。
昭和4年には、
ベルギー国際博覧会に「曲木椅子」を出品しています。
 

 
近年は環境問題にも取り組んでいて、
平成13(2001)年には、これまで捨てていた「節」を主役にした
「森のことば」が発売されると、大ヒット。
 

 
家具にはあまり利用されてこなかった
杉材を使った家具にも取り組んでいます。
 

 
令和2(2020)年8月10日には、創業100年を迎えました。
高山市には本社、アウトレット店があります。
ショールーム「飛騨の家具館」は高山市の他、
大都市圏(仙台市、東京、名古屋市、大阪市、福岡市)に展開しています。
 

 
飛騨産業の工場で、曲木づくりを見せて頂きました。
1時間蒸して水分を含んだ楢材を特別な器具にはめ込んで固定。
機械で緩やかに曲げていきます。
ベテラン職人の澤田明博さんは飛騨産業の曲木名人。
曲げている途中で歪んでしまった材木も
瞬時の判断でキレイに調整してしまいます。
 


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流れるような木目の美しさが魅力の
曲げ木の技で作られたダイニングチェア。
曲げ木は強度が強く、
曲線に切り出した材木が288Kgで折れたのに対し、
曲げ木は何と745Kgまで持ち堪えます。
 
  • 住所:〒506-8686
       岐阜県高山市漆垣内町3180
  • 電話:0577-32-1001(代表)
 
 

2.「ビーンズダイニングテーブル」(木童工房・関西春樹さん)

 
岐阜県高山市にある「木童工房」は昭和54(1979)年創業の工房です。
関西春樹さんは京都の出身で、
幼い頃から飛騨の匠達の建てた木造建築を見て育ち、
その飛騨の匠に憧れて、
昭和51(1976)年飛騨高山へに来て、高山の地で木工を学びました。
関西さんは、ノミや鉋などの手道具を使った家具作りを心掛け、
企画から製作までを一貫して行っています。
平成22(2010)年には「飛騨の家具」ブランド企業に認定。
また平成26(2014)年には「安全、安心な国産家具」表示事業者にも
認定されています。
 
そら豆をモチーフにした木童工房のオリジナルデザイン家具
「ビーンズシリーズ」のダイニングテーブル。
”そら豆”そのままのような天板の丸みは
職人の手道具「鉋」で形作られたものです。
 
関西春樹さんは、残念ながら
平成30(2018)年11月30日お亡くなりになりました。
それに伴い、「木童工房」も廃業されました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
 
 
 

3.高山市内の小学校


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「飛騨杉」(ひだすぎ)は、国産スギ材のブランドで、
吉野杉、秋田杉、屋久杉などに代表される
スギの地域品種のひとつです。
岐阜県は県土面積の82%が森林で、全国2位の森林県。
木材としては、スギが最も多く、14万3000㎥生産されています。
 

 
杉には軟らかいため傷がつきやすいという弱点があるため、
家具には不向きと言われ、利用されてはきませんでした。
 

 
飛騨産業では、
平成13(2001)年頃からスギの家具づくりの研究を始めました。
そして、高含水率、高温状態で木材組織を軟化させ造形する
「曲げ木」の圧縮技術を杉にも取り入れた
「圧縮スギ」を開発させました。
スギ材を2枚重ねにすることで強度が増して割れにくくし、
2時間かけて曲げ木の技でじっくりと圧縮し、
固く引き締まったスギ材です。
 

平成15(2003)年には
同業5社による「飛騨杉研究開発協同組合」が発足し、
圧縮技術を用いた家具を製造する研究も始まりました。
 

 
そして2005年、とうとう製品「HIDA」を発表。
イタリアの著名なプロダクトデザイナー・
エンツォ・マーリによるデザインで、
ミラノサローネで発表されました。
現在、「HIDA」を始め、「crypto」「suginari」「wavok」から
最新の世界で初めてスギ圧縮柾目材を用いた「KISARAGI」まで、
スギを使った家具をたくさん作っています。
また、地元の飛騨木工連合会に木材を提供し、地産地消されています。
スギを使った家具が普及すれば、林業が活性化し、森に手が入ります。
 

 
高山市内の小中学校で使われる教室の机や椅子は、
この「圧縮スギ」で作られています。地元の杉材が使われています。
子供達に木に親しんでもらいたいと、全ての小中学校に贈られました。
 


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