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イッピン「彩り豊かに使いやすく 三重県・萬古焼」

<番組紹介>
蓋を工夫した炊飯用の土鍋。
液だれしにくいしょうゆ差し。
そして多彩に色づけされたビアマグ。
どれも、三重県四日市市の焼き物、萬古焼だ。
江戸時代から、
使いやすく、暮らしに彩を添える器を生み出してきた。
明治以降は、海外への輸出も盛んに。
そのひとつがビアマグだ。
イギリス・スイス・オランダなどに向け、
それぞれのお国柄を反映した絵が描かれている。
食卓に彩を添え、暮らしに役立つように施された、
技と工夫を見ていく。
 
 

1.大黒ごはん鍋(「華月」五代目・藤井啓雄さん)

 
萬古焼の土鍋
「土鍋」は「萬古焼」(ばんこやき)を代表する商品で、
国内シェアの約8割を占めます。
「萬古焼」の特徴は「陶土」にあります。
ロケットの塗装にも使われる「ペタライト」という
熱に強いリチウム鉱石を混ぜて焼くことで強度がアップ。
耐熱性が抜群に優れていて、
直火や空焚きなどの熱に対しても高度な耐久性を持っています。
 

 
 
大黒ごはん鍋
大黒ごはん鍋」は、
かまど炊きのような美味しいご飯が炊ける土鍋です。
一番の特徴は、「火加減調整がいらないところ」。
オーブンやガスコンロで、
最初から最後まで同じ火加減で炊くことが出来ます。
ごはんだけでなく、
雑炊やカレー、シチュー、鍋物にも使える万能土鍋です。
 
超耐熱性の製品だから、
冷蔵庫から出してすぐに直火にかけても、割れることがありません。
直火、電子レンジ、オーブンいずれにも対応しております。
 
持ち手には、職人さんの手跡が残っている場合があります。
手作業のため、力加減によりどうしてもついてしまうそうですが、
まあ”味”・・・なんですかね。
平成29年度「三重ブランド」に認定されました。
 

 
大黒ごはん鍋で白米を炊く(2合)


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  1. お米を洗い、30分浸水させる
  2. お米を大黒釜に入れ、
    内釜に彫られている下から2本目の線まで水を加える。
  3. 内蓋、外蓋をし、中火より少し強めの火で9分。
  4. そのまま10分蒸らす。
 
華月
萬古焼の窯元「華月」は、
安政3(1856)年に餅や茶を作る道具であった
「石臼」の製造業として創業しました。
時代の変化とともに華器を製造してきました。
昭和30年代に耐熱陶器を作り始めます。
火にかけて割れない物質「ペタライト」を見つけ、
8年がかりで特許を取得、超耐熱性の土鍋を開発します。
火にかけても割れない耐熱食器を作るため、
土や釉薬といった原材料からこだわり、
更には全ての工程において最高品質が保たれるよう
管理が行われています。
 
食器なのに直火にかけられる常識を覆す器「KOKURYU」を開発。
温かいものを温かく、
最後の一口まで熱々で美味しく味わえると評判です。
更に洗い物も簡単です。
 
  • 住所:〒510-0016
       三重県四日市市羽津山町20-9
  • 電話:059-331-6037
 

 
 

2.萬古焼の醤油差し(萬古焼 醉月陶苑/醉月窯)


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「萬古焼」の代表とされる商品は「土鍋」と「急須」。
「四日市萬古焼急須」は、昭和53(1978)年に
国から「伝統的工芸品」に指定されています。
萬古焼の急須の中でも「紫泥急須」(しでいきゅうす)は、
鉄分を多く含んだ赤土を、釉薬をかけずに焼いたもので、
鉄分が茶葉の中のタンニンに反応し、
渋みを和らげ旨み成分を引き立てる効果があると言われいます。
醉月窯の清水醉月さんは、料理研究家の大原千鶴さんと一緒に
日本人の食卓に欠かせない「醤油差し」を作り出しました。
 
醤油差しで厄介なのは、注ぎ口が液だれして汚れること。
そして蓋の縁に付着する結晶が掃除しにくいこと。
それを注ぎやすい良質な急須で知られる萬古焼の技で見事解決!
鋭く作られた注ぎ口は液だれが生じることなく、
いつでも快適に使えます。
胴に合わせて蓋はぴったりと合わさるように作られ、
口の周りに醤油が固まることもありません。
 
 素焼きを終えると、清水さんの奥様、きし代さんが
特別な絵の具を使って、桜の「盛絵」を施しました。
 
購入をご希望の方は、「醉月陶苑」に直接ご注文下さい。
 
  • 住所:〒510-0008
       三重県四日市市南いかるが町19-4   
  • 電話:059-332-8218
 
 
 

3.海外向けビアマグ(「田中正商店」田中 誠さん)

 
明治時代に入り、
阿倉川の白土を原料に木型・土型を駆使して、
文明開化の雰囲気のある突飛なデザインの萬古焼が、
海外に大量に売り出されました。
そのひとつが「ビアマグ」です。
イギリス・スイス・オランダなどに向けた
それぞれのお国柄を反映した絵が描かれています。
 
「田中正商店」は、昭和30(1955)年の創業以来、
ビアジョッキ(ミューヘンマグ)の製造販売をしている窯元です。
 
職人の田中誠さんに「ビアマグ」作成の工程を見せていただきました。
絵柄が刻まれた石膏の型に、原料の土を流し込んで乾燥させたら、
素焼きします。
焼き上がったら、下絵付け、色付を行い、
釉薬に浸けて焼成します。
焼成後、残った部分の色付に進むのですが、
釉薬に馴染みやすいものをチョイスしていました。
この時、色の違いで鮮やかに発色する温度が異なるのだそうです。
 
「ビアマグ」はビアガーデンで使われるだけでなく、
インテリアとして購入する人もいるそうです。
国内だけでなく、海外にも輸出されているそうです。
 
田中正商店
  • 住所:〒510-008
       三重県四日市市本郷町4-4
 

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